今回はノルドシェライフェの他に一般道での試乗も行ったが、そんなシチュエーションにおける乗り心地性能のアップは、まさに嬉しい要素だったと素直に報告できるほどだ。また乗り心地の良さは街中での快適性を向上させたのに加え、クローズドコースではしっとりした印象が安定感にも貢献しているのだった。
今回のモデルでは当然性能アップが著しく、話もそれが中心となることに間違いないわけだが、ここまでで印象を挙げたステアリング・フィールと乗り心地の向上だけで既に、僕は相当な進化だと思えた。
以前から僕自身がインプレッサに必要な物として挙げていた「ロードゴーイングカーに相応しい質感」の具現がまさにこの部分であるだけに、これだけで相当に満足できる内容に思えた。この2点だけでもインプレッサは確実に大人になったといえるほどだ。
さて、話を性能アップに移していこう。動力性能は当然向上している。エンジンではインタークーラータンクの形状変更/インタークーラーダクトの形状変更/触媒の変更などで吸気抵抗の低減/排気系の低背圧化を図り、出力および出力特性を向上した。最高出力280psの発生回転は6400rpmに引き上げられ最大トルクは実に42.0kgm/4400rpmにまで達している。
また回転全域のトルクアップ/ドライバビリティが向上しているのがポイントで、実際にコーナーからの脱出では、今まで以上のレスポンスが得られ、ペダル操作に対してキッチリとツキが感じられるようになった。これまでは一拍おいて反応があったが、今回からは即座に反応が返ってくる。シャシーも非常に多岐に渡る改良・変更が施され、さらに操縦限界、コーナリング性能を向上させている。
新しいフロントハブユニットおよびハウジングを与えており、併せてハブベアリングのサイズも拡大強化されている。これに伴いPCDもついに114.3mmとなった。
さらにフロントにストラットタワーバーを入れており、一方リアサスではクロスメンバーを通して取り付け剛性を挙げている。加えてアルミ製ラテラルリンクの採用で、バネ下で約1kgの軽量化を行った。スプリングレートは従来のままだというが、スタビは前後とも20パイとして、かつフロント効きとしたという。つまり以前から高い運動性能を発揮したサスペンションは、さらにダメ押し的に強化されている、というわけだ。