SUBARU(スバル)/レガシィ

胸のすく軽快なフィーリング 秀逸な6気筒レガシィの走り

清々しい吹け上がりと滑らかな回転の感触が胸をすく。まるで澄んだ水を手ですくい上げたときのような気持ちよさがそこにある。レガシィに追加された水平対向6気筒エンジン搭載車は、一言で言うとそんなクルマだ。

執筆者:河口 まなぶ



清々しい吹け上がりと滑らかな回転の感触が胸をすく。まるで澄んだ水を手ですくい上げたときのような気持ちよさがそこにある。

爽快かつ豊かな感触を伴う気持ちよさを生み出しているのは、世界的にみてもポルシェのそれと2つしかない貴重なユニットである。

フィーリングはポルシェのそれとも違えば、当然直4でも直6でもV6でも、そしてフラット4でも味わえぬ世界唯一のフィーリング。

スロットルを踏み込むと、洗練された滑らかな回転とともに澄んだサウンドが流れ始め、回転が増すに連れて力が溢れ出す。4000回転を超えた辺りからは、さらにきれいな音色を伴って、7000回転まで吹け上がっていく。その様はターボモデルの持つ豪快な力強さとは異なる、とても豊かな感触。これぞ「上質」という表現が相応しい。

そこに搭載されているのは3.0Lのフラット6。これは先代レガシィで2000年にデビューした3.0Lの水平対向6気筒エンジンEZ30をベースとしながら、約80%を超えるパーツを新設計することで新たに生まれ変わったユニットだ。型式名もEZ30-Rとなり、最高出力は250ps、最大トルクは31.0kgmへと性能アップが図られた。

EZ30-R最大の特徴は「ダイレクト可変バルブリフト」と呼ばれる機構が与えられたこと。この機構はポルシェのフラット6に搭載されるバリオカムとほぼ同じ機構で、ダイレクト駆動される吸気バルブのリフト量を走行状況に応じて個別に変化させる仕組みを持つ。そのキモとなるスイッチャブル・タペットと呼ばれるパーツは、ポルシェが採用するのと同じドイツのINA製で、ポルシェのそれよりも構造を簡素化し進化させたもの。つまりEZ30-Rはポルシェとの関係性を強く感じさせるユニットである。

同時にこれまで4気筒シリーズで用いてきたAVCS(可変バルブタイミング機構)や、電子制御スロットル、樹脂製インマニ&インテークダクトを採用するなどして大幅に生まれ変わった。さらに排気はエグゾーストポート形状を従来の1ポートから独立式の3ポートとして、排気効率を大幅に改善し、出力向上や排ガスのクリーン化を図られている。

また新たにトランスミッションが5ATとなったこともトピックだ。これによってフラット6ならではの上質なフィーリングを、存分に引き出して味わえるようになった。

走り始めてすぐに、フラット6の高い質感に感動を覚えたわけだが、何より感動的だったのはハンドリングだ。それと同時に、先に登場した4気筒のターボモデルのハンドリングが、かなりスポーツ性を極めた味付けだったということが理解できた。

つまり3.0Rというモデルでは、ターボ系とは対照的にとにかくしっとりした感触を持つハンドリングが実現されていたのだ。

路面の善し悪しに関わらず軽くいなす感じがあり、フラットな乗り味を伝えていく。17インチサイズのRE050Aにビルシュタイン社製ダンパーの組み合わせは4気筒ターボのGTと同じ構成だが、果たして3.0Rのそれは大分角を丸めた感じで優しさがある。

しかし一方でスポーツ・マインドも忘れていない。コーナーでは実にしなやかにサスペンションを動かし、しっかりと路面を捕らえていく。乗り味は優しい感触だが、単純にソフトというのではなく芯がしっかりあり確かさを感じる。だからコーナリングは実に頼もしいものだ。操舵に対してじんわりと、しかし遅れなくロールが生まれていき、クルマ全体がきれいに傾きながらコーナーを駆け抜けていく。その様はかなり気持ちよい。

フラット6としなやかな乗り味およびハンドリングは、4気筒モデルでは絶対に得られない上質な世界を作り上げた。これこそまさに、プレミアム・スポーツ。レガシィに追加された3.0Rは、レガシィをさらに上のレベルに引き上げた。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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