輸入車/注目の輸入車試乗レポート

ターボとNAでは、こんなに違いがあった新型レガシィ レガシィのターボとNAの違い(5ページ目)

今回はターボのGTとNAの2.0Rを対比しながら、B4とツーリングワゴンの違い、またサーキットでの試乗や公道での試乗などまで含めてレポートする。

執筆者:河口 まなぶ


実際に走らせると、NAとターボではステアリングのレシオが変わるため、印象はやや異なるが、基本的にはどのモデルでもまずクルマ全体に一本筋が通ったような直進性を感じる。少々の路面変化を寄せ付けず、クルマそのものがひとつの剛体となって突き進んでいくような感じがある。その上で違いを見ていくと、NA系では路面からの入力を優しく受け止めていなしに変えている感じがある。もともとの直進性の高さに加え、しっかりとサスペンションを動かすことで路面をとらえ高い安定性を感じさせてくれるのだ。

一方ターボ系はやや印象が異なり、さらに17インチか18インチかで感じが違う。高速安定性という意味では個人的に17インチの方が高いように感じた。というのも路面変化に対し、17インチを履く方が上手くいなしを行う。18インチはやはりバネ下の重さからか、路面が荒れていたりすると路面からタイヤが蹴られる感じがある。もっともそれだからこそ、ダイレクト感には優れている。

しかもここで先に述べたステアリングのギア比が影響する。ターボ系はクイックなギア比が与えられるため、ステアリングのわずかな動きがクルマの動きとして反映されることになる。これに対し、NA系はステアリングのギア比もターボ系よりはスローとなるので、手のひらで感じる落ち着き感も高いのである。特に高速域では、路面変化で身体が揺さぶられ、それが知らぬ間にステアリングのわずかな動きにつながって最終的にクルマの動きにも関わってくるため、どうしてもターボ系はNA系と比べると敏感な感じだ。

ただ敏感といっても誤解しないでほしいのは、他の車種と比べた場合には、それでもまたアドバンテージを持っているということ。ここでAWDであることが活きてくるのだ。

AWDというと、どうしても4輪へ駆動力を配分できることから、「トラクションの高さ」に目がいくが、実はトラクションの高さは裏返しで安定性の高さにつながっている。特に高速域になるとAWDは頼もしい。4輪に駆動力が与えられるために、FWDやREDよりも明らかにしっかりとした感じを伝えてくるのである。

一方でハンドリングに関しては、全てのモデルで切れ味が増した、というのが相応しい表現だろう。ただ同時に、ひと言では言い表せぬ深みを伴っている。それはおそらくどこか一部が変わったからではなく、多くの要素が複雑に絡みあった相乗効果によって高まったものだからだろう。

先代モデルでもAWDとは思えぬ回頭性の良さがあり、FR的にすら思えるハンドリングの良さを持っていたが、新型はさらに磨きがかかっており、シャープかつ自然な回頭性を持っている。

操舵した瞬間に、強引ではなく自然にノーズが反応し動き始める。そしてロールが始まる。ここから先でモデルによって違いの出てくるところだ。


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