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スカイラインGT-Rの秘められた魅力に迫る エモーショナル・ビークル GT-R(2ページ目)

運転席に座った全てのドライバーを魅了してやまないクルマ。それがスカイラインGT-Rだ。このクルマの魅力はドライバーの感情に訴えかけてくるような、その走りに秘められている。

執筆者:河口 まなぶ


もちろん、そんな感触はエンジンだけに限った話ではない。身体が触れるもの全てに、そういった資質が感じられる。例えばそのステアリングはやや重く、振動なども多く伝えてくる。が、それゆえにステアリングフィールは、情報量に溢れた素晴らしいものだ。

手のひらを置くだけで、タイヤの切れ角、グリップ感、トラクション、制動した時にはその状態などを全て明瞭に教えてくれる。もちろんそこから荷重が変化し、移動していくことも分かる。クルマの挙動の推移を知ることさえできる。剛性感に溢れるペダルも、身体を包み込むと同時にそこからも情報を提供するバケットシートもしかり。ありとあらゆるものに、操る者の心に響くような感触が備わり、それがひしひしと伝わってくるのだ。

東京モーターショーでは21世紀にも生き残ることが約束されたGT-R
結果、GT-Rというマシンの走りには、そのずば抜けたパフォーマンスを発揮するだけではない、感性に響く部分においての確かな味わいが存在しているのである。他でこれほどまでの味わいを持つクルマはなかなか存在しない。ある意味、輸入車のスーパースポーツ味わい。それはパフォーマンスを超えた先にある独特の感触とでもいえばいいだろうか?

そういった貴重なものを、GT-Rは獲得することに成功したのだ。

理由はまさに、それまでの国産車では実現ができなかった、「走りのアイデンティティ」を、常に磨き続けてきたからこそ。12年間という長い旅の中で、高い志と揺るぎない信念を元に、こつこつ築き上げられたGT-Rは、実は性能だけでなく、決して目には見えない「走りの質感」においても世界レベルを目指しきたのである。
 
久しぶりにR34GT-Rに触れて感じたのはそんなことだった。と同時に、こんな大切なものは決して失ってはならないと思った。21世紀を迎えても、GT-Rによる走りを巡る旅は続くだろう。そして僕らは、その終わりなき旅を、今後も共にすることができるのである。

(この原稿は、(株)エディトリアル・クリッパー発行「J’s Tipo」に連載している「感動移動体を求めて」のために執筆した原稿を元に加筆修正を加えたものです)
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