走りはミニバンのレベルを超えている
正直に言って、私はストリームの顔がキライだ。もっと言うと、オデッセイからキライだった。ツッパリがガンを飛ばしたようなヘッドライト。文句あるのかと言いたくなるようなふてぶてしい顔。しかしながらオデッセイがめっちゃ売れてしまったものだから、私の「キライ」と世間の「好き」は微妙な関係なのだと思う。小生意気な顔つきに、ゲームセンターを連想させるインテリア。しかしながらストリームの実力はすごい。低床低重心というオデッセイから踏襲されたホンダ・コンセプト。床下にあるパーツを上手に組み合わせたことで床を下げ、乗り降りをしやすくし、ついでに車内空間を確保したまま天井まで下げた。イコール、走ったときの重心が低くてコントロールしやすく、かつ、立体駐車場にも入っちゃうという器用さなのだ。
正直に言おう。走りはかなりいい。ミニバン=ぶわんぶわん走る、という先入観はこの際、捨てていただこう。ハンドルを握っていると二列目シートより後ろにある長い(はずの)ボディは感じられない。ぴしっと気持ちよくコーナーを走っちゃう感じは、ちぇっと舌打ちしたくなるほど秀逸だ。
ミニバンというカテゴリーが登場したときは、広い車内と3列シートでいっぱいいっぱいだった。第二世代に入ると、いかにシートアレンジをこなすか。3列目シートまでアクセスしやすくするかでシノギを削ったように思う。そして第三世代。ついにクルマの一番大事な部分である「走り」について追求してきた。
ミニバンブーム。ブームなんてすぐに終わるよとみんなタカをくくっていたけれど、ミニバン開発陣の執念は、ブームが終わるどころかさらに切磋琢磨な激戦が繰り広げられている。切磋琢磨しちゃうと、どんどんいいクルマに育っていくんだよなあと、ガンたれクルマのヘッドライトを見つつ、びみょーな気持ちになる私なのである。
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