輸入車/注目の輸入車試乗レポート

クルマを磨いてみました!

クルマは買ったままが一番。そう信じている私ですが「洗車が簡単になるよ」のひとことで、クルマを磨きに出してみました。その結果は?

執筆者:岩貞 るみこ


新車以上の輝きになった!

「クルマは純正に限る」。これは私の長年培って築いたポリシーである。だって自動車メーカーのデザイナーがこれは、と引いたラインなのだ。それに惚れてクルマを買うのである。さらにゴテゴテとなにをくっつける必要があるというのだ? もちろん、パーツ大好きな人を否定するワケじゃないです。これはあくまでも私の主観、私の個人的考え。

ゆえに私のクルマにはオプションと名のつくものはいっさいない。中も外もなーんにもなくて、友人に「これはレンタカー?」と尋ねられることもしばしばだ。すいませんね、なんもなくて。

友人が「レンタカー?」と尋ねる理由はもうひとつある。汚い。そう、私のクルマは洗車があまり(ほとんど?)されないのである。これは私がイタリアで過ごした時間が長いため、という理由はなんだかエラソーだが、実際は単なるずぼらなだけだ。どうせ雨が降ったら汚れるんだしさあ、という、どうせまた食べるんだからさあ、と歯磨きを拒否して母親に「だったらご飯は食べなくていい!」と怒られた幼少期からまったくもって進歩していないと言っていい。

そんなずぼらな私に、クルマ好きの友人が耳元でそっとささやいた。

「洗車、楽になりまっせ。ワックスなし、水洗いだけで、びっかびかのきゅぴきゅぴ。どう?」

いや、別に彼が大阪弁でそう語ったわけではない。が、その魅惑的な誘いは大阪商人の巧さを連想させる心揺らぐセリフ。もちろん、私の気持ちはぐっと傾いた。クルマはノーマルに限ると信じる私だが、見た目は同じで洗車が楽になるというのなら話は別だ。その「磨き」とやら、やってみてもよろしくてよ?

かくして私のSLKは5日間の入院生活を送ることとなった(ちなみにSLKはメルセデスとはいえ全長は4070mm。無理やりですがコンパクトカーに入れてやってください)。こう言っちゃなんだが、SLKはセラミック塗装である。ふつーのソレとはちょっと違う高級上質塗装である。走って半年、走行距離8000kmとはいえ、まだまだびっかびかの現役ばりばりである。美しい。すでにかなり美しい。これ、磨いたところで変わらないんじゃないの? 

しかし。5日後引き取りに行くと、塵ひとつない工場で黒い幕をかけられてSLKがたたずんでいた。そして工場長とメカニックさんの手で幕が取り払われると……。

うっそお? ちまたの中学生のような声を上げた私である。だって色が違う! そう、私のSLKはシルバーだったはずだ。しかし磨き上げられたクルマは表面のくすみがしっかりと取り払われ、まさにプラチナの輝きを放っていたのである。すべすべに磨かれた肌は、蛍光灯の光を信じられないくらいにくっきりとボディに受け止めていた。まさに鏡。絶句である。しかもボディの色のついた部分の磨きだけでなく、黒いパーツはより黒く艶が出され、ホイールから内装からそれはそれはの「お掃除」ぶり。このままプラスチックケースにいれてミニカーのように部屋の中に飾っておきたいくらいだ。

新車以上の輝きになったクルマを連れて家にもどる。翌々日はあいにくの雨。しかし磨かれたボディは雨粒をころころと転がし、それはきれいな水のライン。そして雨上がりに水をそっとかけると、水の流れのままに汚れがあっさりと落ち、それこそ「びっかびかのきゅぴきゅぴ」である。すごい。

確かに磨き代はかかるけれど、これなら洗車代で十分に元はとれる。しかもぴかぴか。クルマはノーマルに限ると信じる私も、この「プロ中のプロの磨き」だけは別だ。洗車嫌い、ワックスなんて面倒とお考えの方々にも、ぜひぜひお勧めしたいと思う。

私がお世話になったポリッシュファクトリーさんのホームページはこちらから。ただし、すっごい人気店なので、かなり順番待ちです、悪しからず!
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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