デザインテーマはマメ柴なのだそうな。フロントグリルが黒くて中央にきゅっと寄ったこの、優しくて頼りなげな雰囲気。なんだったけかなーと思ってみれば、そうか、マメ柴か。柴犬の小型種、マメ柴。ひとなつこくて誰にでも愛嬌を振りまくミニチュアダックスフンドやゴールデンレトリーバーなどと違い、和犬である柴犬は飼い主以外に甘えた顔は見せない。もっとも飼い主にとっちゃそれがたまらなく可愛いのだろうが。

その日本代表ちゃちゃちゃ的なマメ柴をモチーフに、キューブの顔はできあがった。ルーフ部分を横にめいっぱい伸ばして四角く、アタマでっかちっぽくなったフォルムからも「和犬」のイメージは沸きやすい。

キューブのおもしろいところは、具体的な「モノ」がこのように外観のデザインモチーフになっているところだ。リアのコンビネーションランプにしてもしかり。女性ユーザーのことを思い、「口に入れても大丈夫なもので安心感を連想させたかった」という理由から、キャンディドロップをイメージしている。たしかにおいしそうな仕上がりではある。ついでにタイヤのホイール。これはこれでまるでベルギーワッフルである。こういうところから親近感を得ようとは、うまいというかずるいというか。

しかし、日産の思惑はかなり当たっているように思う。先日、女性誌の撮影でキューブを使ったら、めちゃくちゃ受けた。連載でこの1年、かれこれ10台以上撮影したけれど、こんなに盛り上がったのは初めてである。曰く「顔が可愛い」。おしなべてみんなそう言う。ついでにインテリアが可愛い。やはりみんなそう言う。そして最後はドアを開けて「広~い」。この点に関してはみんな目がハートマークになって言っている。