輸入車/注目の輸入車試乗レポート

ジュネーブを沸かせたミニバン・SUV

日本車では今年プレマシーやセレナ、エルグランドなどの新型が登場する見込みだが、欧州勢のミニバン・SUVもかなり元気。今年から来年市販化される注目車をお届け。

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

日本導入は未定

フロントビュー
新しいVWシャランは全長4850×全幅1900×全高1720mmで、オデッセイやエスティマより大きく、MPVと同じくらいの堂々たるサイズだ。エンジンは直噴ターボガソリンのTSI、2.0LターボディーゼルのTDIなど4つ用意し、全てのエンジンがDSGとの組み合わせが可能だという
今回は、2010年のジュネーブモーターショーを中心に、2010-11年の注目のミニバン・SUVを取り上げよう。まずはワールドプレミアとなったフォルクスワーゲンの新型シャランから。

シャランは90年代半ば、兄弟車であるフォード・ギャラクシーとともに、日本にも導入され一定の人気を保ってきたミニバンだ。欧州に行くとよく見かけるミニバンだが、日本において新車で買えるVWのミニバンは現在、トゥーランのみ。シャランはトゥーランよりもひと回りは大きく、日本にはオデッセイやエスティマ、MPVなどのLクラスの乗用系ミニバンを含み、数多くのモデルが乱立しているのは周知のとおりで、現在ラインナップにはない。

現行シャランは欧州で生産され、リリースされてきたが、15年ぶりのフルモデルチェンジとなったわけだ。ニュー・シャランの日本での発売は未定だそうだが、根強いファンも少なくないだけに、ぜひ上陸して欲しいモデルである。

燃費と走りに期待大

リヤビュー
スライドドアはもちろん、空間効率の高そうなスタイルはいかにもミニバンだが、ひと目でフォルクスワーゲン車とわかるデザイン。スライドドアの開口部もかなり大きいという
新型シャランには、200psの「TSIエンジン+DSG」というパサートCCと同じ組み合わせのパワートレーンが用意されるから、走りへの期待が高まる。それだけでなく、170ps、140ps版のエンジンにはアイドリングストップ機構と回生ブレーキを備える。ハイブリッドではないが、サイズが大きく重くなりがちなミニバンでは今後、どのメーカーも採用するはずの技術だ。ちなみに、次期マツダ・プレマシーにもアイドリングストップ機構が備わるという。

シートアレンジが多彩な7人乗だけでなく、5人乗り、6人乗りという基本パターンを用意。2、3列目は従来のドイツ製ミニバンでは当然であった取りはずし式ではなく、多くの日本製ミニバンや今では日本では買えなくなってしまったオペル・ザフィーラのように床下収納式を採用するという。

新型シャランは高速を矢のように直進、ラクに移動できながら、楽しい走りと燃費を両立しているはずなのは、最近のVW車を考えてみれば当然。しかも、質感の高いインパネや大きなシートなど、欧州では王道を行く仕上がりであるはず。ぜひ導入して欲しい一台だ。

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