貴重な存在のXC70
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フラッグシップサルーンのS80がベースのV70、V70のクロスカントリー版がXC70。XC60は背の高いオーソドックスなSUVだが、XC70はステーションワゴン派生型なのが面白い。2010年モデルはエンジンを3.0Lターボに変更。全長×全幅×全高:4840×1890×1605mm。価格は09年モデルから11万円安の624万円 |
ステーションワゴン派生型のSUVといえば、スバル・アウトバックやアウディのA6オールロードクワトロがあるが、後者は現在では絶版状態で、A4オールロードクワトロも日本は未導入。そこで貴重な存在なのが、ボルボXC70。個人的には、ベースとなったV70よりも魅力的に感じる。ただし、今年デビューしたXC60よりもXC70は割高な印象が拭えなかったのも事実で、2010年モデルではより競争力のある装備と価格設定に変えてきた。
3.2Lターボを搭載
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フロントグリルのブランドマークを大型化し、新しいデザインの18インチホイール「Merac」を履く |
2010年モデルの最大のトピックスが、エンジンの変更。3.2LのNAエンジンを3.0LターボのT6に変更。横置きの直列6気筒ターボは285ps/40.8kg-mの強心臓ぶりを誇る。ただし、10・15モード燃費は8.4km/Lから8.1km/Lにダウン。当てにならない10・15モード燃費とはいえ、ひとつの指針。流行のダウンサイジングを果たしながら燃費ダウンは少々残念だ。
とはいえ、FOUR-Cアクティブパフォーマンスシャーシ、前後のパーキングアシスト、ベンチレーション付レザーシート、ダークティンテッドガラスなど大幅な装備の充実化を図りながら、11万円値下げは最近のボルボらしい、戦略的な価格設定といえる。
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