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セッテ&ルミナスの意外な走り(3ページ目)

ダイハツが主導して登場した小型3列シート車のブーン・ルミナス、トヨタ・パッソ・セッテ。インパクト十分の価格を引っ提げて登場。予想を裏切る!?走りは意外なものだった。

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

3列目の設計は当然の結果

ラゲッジ
ヘッドレストをはずして、背もたれを前に倒すと荷室を拡大できる。分割ではないが、着座は2列目までという使い方が多いはずで、実用面では大きなマイナスとは思えない

注目の3列目だが、昔のカローラ・スパシオや初代プレマシーなどよりも座れるようになったとはいえ、大人にはキツイ。2列目の膝前にコブシ1つ程度残るスライド位置にすると3列目の足元には意外に空間は残るが、フロアからの座面の高さが不足しており、いわゆる体育座りになってしまう。ダイハツ社内では、日本人男性の50%をカバーできる社内基準であり、女性では80~90%カバーできる3列目を開発したというが、171cmのレポーターでは20分くらいが限度。

逆に言えば160cmくらいの方なら非常用として実用になる空間かもしれないが、先述したようにシートの高さ不足、背もたれの高さやクッションの厚みからしても非常用。非常用でいいから、普段は3列目を倒して荷室として使うという判断によるシート設計は当然といえるものだ。

2列目シートに課題

タイヤ
15インチはブリヂストンのポテンザを履く。市販用のように、スポーツ一辺倒のタイヤではなく、見た目とブランド力重視のチョイスのよう。当たりはややハード
2列目は、シートを倒すアレンジよりも着座感を重視して欲しかった。シートがやや平板で1列目ほどの座り心地のよさは感じられない。背もたれのサイズも少し不足気味に思えたし、リクライニングレバーの操作性も座りながらだと今イチ。乗降時には問題のないレバー位置、操作感だが、3列目への乗降性とシートの倒しやすさよりも2列目の快適性が優先されるべきだろう。

価格競争力に富むセッテ&ルミナスだが、走りに関してはしっかりとお金を掛けられている。ただ、ユーザー層から考えると、サスペンションなど足まわりの強化も支持したいが、インテリアの質感や2列目シートなど、目に見える部分にもう少しコストをかけた方がよかったのではとも思えた。

しかし、全体の印象としてはダイハツらしいマジメなクルマ作りが伺えるもので、ときには高速道路を使ってのロングドライブもするという人がパッソやブーンなどのコンパクトカーではなく、セッテやルミナスを選んでも満足度は高いはずだ。


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