低速は苦手
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BMWメイドらしく元気なエンジン。1.6Lでもターボのおかげでモアパワーを抱かせるシーンは少なかった |
相変わらず4速のATだが、従来よりは洗練されたシフトチェンジを見せてくれる。しかし、現在の基準では、やはり段数不足を実感させられる。アクセルワークに気を使っても1、2速を引っ張り気味にシフトチェンジされるから、車内への音はそれなりに侵入してしまう。また、1400rpmから最大トルクを発揮する直噴ターボは1560kgの車重を苦にすることなく加速させるものの、神経を使ってアクセルを踏み込んでいかないと前につんのめるような、ギクシャクした加速になりがち。スポーティなハッチバックには元気と表現できても、エマージェンシーレベルとはいえ、3列シートを備える多人数ワゴンにはあまり合わない。
しかし、ステージを高速道路や流れの速い幹線道路に移すと、印象は一変する。硬めの足まわりはフラットな姿勢を保ち、エンジンは過給器の恩恵を感じさせるから追い越しもラクで、ロングクルージングも楽しめる。100km/h時のエンジン回転数は2500rpmを超えるが、耳障りなノイズは感じられなかった。
小排気量の燃費は
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2、3列目とも脱着可能。170cmの乗員でドラポジを取ると、2列目後には膝前にコブシ1個半、頭上にはコブシ2個残る。3列目は大人にはミニマム。とくに足もとは狭い |
今回は2日間で約307kmを走って、燃費は9.3km/L。5割が空いた高速道路、2割が市街地、2割が郊外の国道、1割が20km/h程度のトロトロと走る首都高だった。燃費はまずまず、とくにエコランを意識したわけではなく、高速道路では流れに乗って走っていたことを考えると健闘といえるかも。ハイオク指定なのが残念ではあるが、小排気量+直噴ターボの効果はあるといえるはず。これでATの多段化、ターボラグをもう少し減らすなどすれば、7人乗りワゴンにもマッチするパワートレインといえるはずだ。
高速では安定した乗り心地を披露する足まわりは、街中や不整路では硬め。307時代のパツンパツンの足よりは乗りやすくなったが、かつての「猫足」を期待しても裏切られる。そうはいってもボディの剛性感は高く思えるから、経年変化に対しても従来型よりも耐性は高いはず。試乗車は1500km程度だったので、もう少し距離が延びれば足の動きもスムーズになるだろう。
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