キャンピングカー/キャンピングカー基礎知識

軽キャンパーのススメ

軽ミニバンをキャンピングカーに改良した軽キャンパーが人気を集めている。とはいっても身構えずに気軽に使えるのが魅力だ。購入時の注意点を報告しよう。

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド


人気急上昇の軽キャンパー

フロントビュー
マツダ・スクラムをベースにキャンピングカーに仕立てた「e-skip」は、ロータスRV販売がリリースするベーシックなモデル。全長3395×全幅1475×全高1930mm。ポップアップ時の全高は2680mm。価格は221万250円~249万5850円。2WD、4WD、MT、ATと好みで選択でき、サブバッテリーやガソリンFFヒーターなど多彩なオプション装備を用意
キャンピングカー人気はいまになって始まったことではない。大きなキャンピングカーに憧れていても購入費用や維持費、駐車場所などのクリアすべき問題を考えると二の足を踏んでしまう向きも少なくないはずだ。そうした潜在ニーズを掘り起こし、現在大ブレーク中なのが、スズキ・エブリイやホンダ・バモスなどの軽ミニバンをキャンピングカーに仕立てた軽キャンパーだ。購入費用を250万円程度に抑えられ、基本的に大きな駐車場所も不要で、通常のナンバーのままでも、ベッドやシンク、コンロの設置など装備基準を満たせば税金面が有利な8ナンバー登録も可能だ。ただし、元々税金を抑えられる軽自動車のため、手間のかかる8ナンバー登録をしないユーザーも少なくない。

現在軽キャンパーを購入している層は、第二の人生を楽しみにしている、いわゆる団塊世代が中心かと思いきや若い層から偏りなく売れているという。また、おおざっぱにいえば、軽キャンパーが「目的」。つまり、買ってからキャンプなど何かをしようという向きが半数、すでに釣りやカメラなどの趣味を持っている人や、大学や企業の研究者などが研究のために買う「手段」である人も半数いるという。

多様なタイプから選ぼう

ギャレー
シンクや水用のタンクなど、8ナンバーを取得するための装備を備えているモデルや通常ナンバーのままというモデルまで、販売店では好みに応じて相談してくれるはず
軽キャンパーと一口で言っても、多彩なタイプがある。「屋根裏部屋」であるルーフもポップアップするタイプ、全体が上がるエレベータータイプなどがある。前者はかつてマツダのボンゴ・フレンディにあったオートフリートップとほぼ同じ形状だ。後者は前後とも水平に上がるタイプ。また、運転席の上方にベッドスペースが覆うように張り出したバンク付きの本格派まである。さらに、サイドオーニングなどのキャンプに向いた装備を装着したモデルやルーフにボートを載せられるマリン仕様もある。

購入に際して注意したいのは、まず、どういった使い方をするのか明確に決めること。「キャンプや温泉にでも行ければ」という気持ちでは、数回使って飽きてしまうことも十分考えられる。通常のクルマよりも睡眠や食事に向くスペースを備えているが、限られたスペースであるのは事実で、ゆったりくつろぐなら旅館やホテルには到底適わない。「軽キャンパーで何かしよう」でも悪くはないのだが、「渓流釣りをするから軽キャンパーを買う」などの考え方のほうが末永く、しかも軽キャンパーの魅力を十分堪能できるはずだ。少なくても200万円はする大きな買い物。数回使ってみてやっぱりホテルの方がゆっくり眠れる、ではもったいないではないか。まぁ、軽ミニバンなので、普通のセカンドカーとしても十分使えるのだが。

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