キャンピングカー/キャンピングカー基礎知識

キャンピングカーは“特別な人の乗り物”ではない

キャンピングカーを手に入れられるのは、特別な人だけだと思っていないだろうか。実はイマ、フツーの人たちの間でも人気が高まっている。デカい・高い・使わない。そんなキャンピングカーにまつわる誤解を解いてみよう。

渡部 竜生

執筆者:渡部 竜生

キャンピングカーガイド

キャンピングカーの車内はこんな風になっている

キャンピングカーの車内はこんな風になっている


キャンピングカーに憧れるけれど、普段使っている乗用車とはあまりに違い過ぎて、よくわからない。イメージが沸かない。そんな人も多いのでは?

「高いんでしょ?」「あんな大きな車、無理!」「買ったって、思ったほど使えないのでは?」。それ、全部『誤解』なんです! あればオフタイムががらりと変わる、キャンピングカーの世界を覗いてみよう。

車中泊とキャンピングカー、どう違う?

専門誌が出るほど、人気なのが車中泊だ。宿代がかからないし、予約も不要。どこでも、好きなところで宿泊できるのが最大の魅力。なのになぜ今、キャンピングカーをおすすめするのか。

■寝るための車
キャンピングカーには、ベッドがある。体を水平にして、まっすぐに寝られる、一定以上のサイズの寝台があること。それがキャンピングカーの条件だ。リクライニングシートを最大限倒しても、キャンピングカーの寝心地にはかなわない。

■快適にくつろげる車
一般の車との最大の違いは、断熱にある。乗用車の場合、真夏には車内温度が50℃以上になることもあるし、真冬は外気温と変わらない。もちろん、エアコンを使ってしのぐことになるが、決して快適とは言えない。その点、キャンピングカーは、壁・床・天井とも、住宅並みの断熱材を仕込んである。冷暖房は車のそれとは別なので、一晩中エンジンをかけっぱなす必要もない。

まだまだ違いはたくさんあるが、車中泊からキャンピングカーへ……というユーザーは、実はたくさんいる。

よくわからない=無理! ではもったいない

「キャンピングカー、いいですよ。一台、いかがです?」と話を振ると、大抵、帰って来る言葉はひとつ。

「無理ですよー」

なぜ、無理だと思うんでしょう?と尋ねてみると、皆さんの答えはおおよそ、次の3つに分類される。

キャンピングカーにまつわる誤解1:あんな大きな車、無理!

キャンピングカーと言われて、ぱっと頭に浮かぶのは、冷凍車やコンビニの配送車などのトラックのイメージだ。確かに普段乗る車からすれば、かなりの大きさに見えるかもしれない。続けて、「運転できそうもない」「置き場所がない」となる。

キャンピングカーにはざっと、次のような種類がある。

■キャブコン
代表的な「キャブコン」の外観

代表的な「キャブコン」の外観

1.5tクラスのトラックと同等のサイズ。室内で大人が立って歩けるだけの空間があり、ゆったり過ごせるのが魅力。気になる大きさは、全長5m、幅2mの範囲内なので、一般的な駐車場枠に十分おさまるサイズ。

小回りも効くので、都市部でのUターンも、細かな住宅街も実は楽々。最小回転半径は、実はタクシーよりも小さいのだ(クラウン・コンフォートとの比較)。高さがあるので大きく見えるが、慣れてしまえば、むしろ乗用車より運転しやすい、という人も。免許は普通自動車免許でOK。

 

■バンコン
ぱっと見てもキャンピングカーには見えない?

ぱっと見てもキャンピングカーには見えない?

ハイエース(トヨタ)やキャラバン(日産)など、街でよく目にするバンの内部をキャンピングカー仕様に改造したタイプ。見た目は通常のバンそのものだが、室内にはベッドやキッチンが備えられ、断熱もキャンプ仕様。

もちろん、普通免許でOK。買い物や子供の送り迎えなど、普段使いも兼用したい人に人気のタイプ。

 

■軽キャンパー
軽トラックに載せるだけで、キャンピングカーに変身!

軽トラックに載せるだけで、キャンピングカーに変身!

手軽さ、価格の安さから、人気の軽自動車ベース。サイズは小さいが、内部にはベッドやちょっとした水まわりなどが設備されていて、大人二人程度なら十分楽しめる。ポップアップルーフを装備して4人が就寝できるようなタイプも。

 
「キャンピングカー=大きい」はイメージの問題だと、お分かりいただけただろうか。

キャンピングカーにまつわる誤解2:お高いんでしょ?

「1000万円以上はするんでしょ?」というイメージを抱いている人も多いが、実際には新車でも150万円台からある。もちろん中には2000万円超え、なんていう高級車もあるにはあるが、ラインナップがピンからキリまでなのは乗用車と同じこと。

売れ筋は500万円前後のもの。ファミリーカーとして考えると、それほど非現実的な価格でもないのでは?

特に人気なのは、普段使いもできるサイズのキャンピングカーだ。上記のバンコンタイプが多いが、スーパーの駐車場も楽だし、見た目も普通のバンなので目立ちにくいのも人気のポイントだ。

また、最近伸びてきているのがキャンピングトレーラー。乗用車につなげて引っ張るタイプだが、エンジンがない分、イニシャルコスト(購入費用)、ランニングコスト(維持費)ともに安いのが最大の魅力だ。

キャンピングカーにまつわる誤解3:そんなに使わないんじゃない?

「こんな車買ったって、そうしょっちゅう出かけられるわけでもないし」という人もいる。中には「このお金で何回旅行できると思ってるの!」と旦那さんを叱りつけている奥様も。

だが、実際持っている人に聞くと、「買ったとたんに、あちこち行くようになった」と声をそろえる。

何しろキャンピングカーの旅に、予約はいらない。列車もバスもホテルも不要。渋滞も気にしない。空いている時間に走り、疲れたらサービスエリアや道の駅で仮眠すればいい。よくしたもので、キャンピングカーに乗り始めると「キャンピングカー仲間」が増える。おいしい店、便利な温泉など、旅先情報の交換も頻繁になる。一緒に出掛けよう、という機会も増える。行先はキャンプ場ばかりではない。秘湯めぐり、酒蔵めぐり、なんて趣味の人もたくさんいる。

欧米人に比べて、長期の休みの少ない日本人。実は忙しい人にこそ、おすすめなのがキャンピングカーだ。半日あれば、ちょっと離れた公園にピクニックに行ったっていい。全国どこでも温泉が湧き、コンビニもあちこちにある。がんばってキャンプしなくても、美しい景色、おいしい地魚、温泉でのんびり……が叶う。

キャンピングカーを手に入れること。それは、新しいライフスタイルを手に入れることだと思っている。


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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