キャンピングカーがあればペットを一緒に旅につれていけるから旅しやすい!

梵天丸

“別荘”として認識しているのか、この寛ぎよう

一般社団法人ペットフード協会が全国の20~70代を対象に行った調査によれば、犬と猫の飼育頭数は合計で約1,844万6,000頭(2017年データ)! また、ペットオーナーに、「あったらうれしいサービス」を尋ねたところ、約半数が「旅行中や外出中の世話代行サービス」を挙げた。そう、ペットを飼っていて困るのが「旅行」なのだ。

もちろん、世の中にはペットホテルやペットシッターといったサービスもある。が、それ相応にコストもかかる。私自身、こうしたサービスを利用したこともあるが、結果的に一番お金がかったのは人間の旅費ではなく「ペットの留守番費用だった」という笑えないオチがついてしまった。

では、お留守番させずに連れて行くのはどうだろう。実際、ペットと泊まれる宿も増えてはいる。だが、全国津々浦々にあるとは言えず、必ずしも行きたい場所にあるとも限らない。受け入れてくれるペットもほとんどが犬で、猫やその他の動物を飼っている人は利用できないケースも多い。

そんな時、活躍してくれるのがキャンピングカーなのだ。実際、ペットと旅するためにキャンピングカーを買った人は多い。逆にキャンピングカーを買ったことで「ペットが飼えるようになった」という人もいるのだ。

ペット連れ旅のコツとは

バブル&ホイップ

犬を連れてキャンピングカーで旅行している人は多い

一般社団法人日本RV協会が発行している「キャンピングカー白書2016」によれば、キャンピングカーオーナーのうち、ペット連れの旅を楽しんでいる人は約4割。これはかなりの高確率と考えてよいだろう。同白書ではペットの種類までは調査していないが、私がこれまでに出会った動物を紹介すると、まずは圧倒的に犬が多い。それも大型犬(グレートピレニーズなど)から小型犬(チワワ)まで実にさまざまだ。それから猫連れの人もいる。我が家も猫連れなのだが、元々猫は外出を好む動物ではないため、ペット連れキャンピングカーの中でも少数派だ。さらに少数派となると、フェレットやウサギ、オウムやインコ。過去一度だけ、爬虫類連れの人に会ったこともある。

もちろん、すべての愛玩動物が旅行に連れ出せるとは限らないが、生活インフラをまるごと持ち運ぶキャンピングカーなら、動物にとって好適な環境を整えてあげやすいのは確かなのだ。

では、そうしたペット連れオーナーたちは、どんな風にしてその体制を整えたのだろうか。どんなことに配慮しているのか。具体的にチェックしてみよう。

コツ1:ペットが車に慣れるか見極める

大抵の場合、犬は散歩をする。その分、社会性が高い動物ともいえるだろう。きちんとしつけてあれば、飼い主の指示にも従う。飼い主以外の人間とも、上手にコミュニケーションがとれる子も珍しくない。だが、何事にも例外というものはある。他人が苦手な犬、他の犬が苦手な犬というのもいる。また、そもそも車酔いしやすい個体というのもいる。日々の散歩が徒歩のみならば、車に乗せての外出はどうだろうか。あなたの愛犬にとって、どの程度負担になるだろう。喜ぶのか、嫌がるのか。まずは自家用車で、短いドライブに出かけて様子をみよう。

犬以外の動物の場合、さらに出かけたがらない可能性は高くなる。猫は本来、縄張りを離れることを嫌うし、フェレットや鳥類、爬虫類に至っては、どの程度のストレスになるものか、飼い主がじっくり観察して判断するほかない。

例えキャンピングカーがあったとしても、極端に嫌がる、具合が悪くなるなどの反応が出るようなら、無理に連れ出すべきではないだろう。

コツ2:車やキャンピングカーに少しずつ慣らす

普段から車での移動に慣れている動物なら、比較的問題はないだろう。だが、車にもキャンピングカーにも慣れていない動物を旅に連れ出すなら、少しずつ慣れさせてあげる必要がある。

ここで考えるべきは、車そのものに慣れさせること・走行に慣れさせること・車内での生活に慣れさせること、の3ステップだ。

まずは車そのもの、キャンピングカーという新しい環境に慣れてもらおう。最初はエンジンを停止した状態で、駐車車両の中で遊んだり昼寝したりして、リラックスした時間を過ごす。このとき注意したいのは、慣らすつもりで動物だけで車に置き去りにしないこと。初めての環境で独りぼっちで放置されたら、犬でなくとも泣きたくなるだろう。最初は必ず飼い主も一緒に、リラックスタイムを楽しむこと。車内で食事をさせたり、水を与えるのも有効だ。

やがて車内に慣れてきたら、エンジンをかけて音と振動を経験させてみる。動物の嗅覚や聴覚は人間の何倍も敏感なので、こちらが思っている以上に音や匂いに反応する場合も。その意味では車内用の芳香剤などは逆効果になる可能性もあるので、外したほうがいいかもしれない。

少しずつ慣れてきたら、次は車を移動させてみよう。最初はほんのワンブロック、ぐるりとまわって来る程度で十分。アイドリング状態と比べて、はるかに音も振動も大きくなる。落ち着かせるために、お気に入りの毛布やおもちゃなど、本人や飼い主の匂いのついたものを一緒に持ち込んでおけば、それだけ安心しやすくなる。

コツ3:キャンピングカーにペットの居場所を確保する

旅行中、愛するペットはどこにいてもらおうか。特に注意が必要なのは走行中だ。人間がひとりの場合、何かに驚いたペットに飛びつかれたりしたら、事故につながりかねない。安全面を考えても、走行中はしっかり固定したケージに入れておくのが基本だ。どうしてもそれが難しい場合は、必ずハーネスと安全ベルトの着用を。
ビリビリ団

それぞれに「落ちつける場所」があることが大切

一方、旅先ではどうするか。キャンピングカーの居室部分に、ペット専用の「居場所」を設けよう。安心してくつろげる場所、いざとなったら逃げこめる場所を確保しておき、自分の匂いのするおもちゃなども持ち込んでおく。ペットにとっても「ここも家と同じなんだ」と納得できる環境を整えてあげること。飼い主の顔が見える、気配が感じられるなど、不安な思いをさせないことも大切だ。

コツ4:キャンピングカー内のペットのトイレについて考える

ペットと旅をする上で重要なのがトイレの問題だ。人間と違って、「旅先だからこうしなさい」と例外を押し付けるわけにはいかない。ペットの日ごろの習慣をそのまま、旅先へ持ち出すことになる。たとえば犬の場合、トイレは散歩に出たタイミングで、というしつけをしているとすれば、いつもの時間通りに散歩させればいい。室内でペットシーツに用を足す犬なら、家と同じようにペットシーツの準備を。ペットのゴミは飼い主が責任もって持ち帰り処理するのも、家での世話と同じだ。
猫トイレ

シャワールームに設置した猫トイレ


猫の場合はトイレが決まった場所でする習性がある。自宅と同じタイプのトイレ、同じタイプの砂を用意して、なるべく同じ環境で排泄できるようにしてあげたい。犬の場合同様、ゴミはマナーを守って持ち帰ろう。ちなみに我が家では、車内のシャワーブースを猫に明け渡して、そこを彼らのトイレルームにしている。人間はほとんどシャワーは使わないし、防水仕様で水も使えるのでいざ汚れても掃除しやすいというメリットがあるからだ。

コツ5:キャンピングカーにも使えるペットグッズを活用する

ケージを見ると、逃げ出す癖がある子がいる。それは大抵、ケージ=獣医への通院、が刷り込まれてしまっているせいなのだ。そんなときは、獣医用とは別に「お出かけ専用」ケージを用意する。「お出かけ専用」ケージやリードがあるときは「飼い主がずっと一緒にいてくれる」「美味しいものも食べられる」など「いいことがある」と刷り込んでしまうのだ。

万一の避難シェルターとしてもキャンピングカーは便利

東日本大震災、熊本地震。繰り返し、大きな災害にみまわれた日本列島。そんな時にも、キャンピングカーは重宝するアイテムだ。

東日本大震災の教訓から、ペットは「連れて逃げる」のが常識になりつつある。それでも、すべての避難所が動物OKではないのが現実だ。ペット連れ避難所には、居室に動物は入れない(動物だけ別区画に預ける)『同行避難所タイプ』と、人間も動物も一緒に寝起きして暮らせる『同伴避難所タイプ』とがあるが、キャンピングカーは言うなれば「自前の避難シェルター」。自分の家の延長なのだから、堂々とペットと一緒に生活できるしプライバシーも保てる。

以前は「避難所にいなければ、食料や水の配給が受けられない」という弱点があったが、度重なる震災の経験から、避難所にいない被災者(指定避難所外避難者)でも、配給を受けられるよう、配慮されるようにもなった。むしろ、キャパシティに限界のある避難所に負担をかけることなく、自前の「動く我が家」に自立避難できるキャンピングカーのメリットは大きいといえるだろう。

愛車をペット連れ避難シェルターと位置付けるならば、配慮すべき点はいくつかある。まず、ペットフードやペットシーツを常備する。特に療法食を与えているシニア動物などの場合、災害時に特殊なフードは簡単には手に入らない。特殊なケアを必要とする動物がいるなら、ケア用品や薬のストックも忘れずに。

また、ケージに慣らす、車に慣らしておくなど、しつけの面も重要だ。キャンピングカーで出かけやすい子にしておくこと。そうすれば、日々のレジャーを楽しみながら、いざという時も安心して避難できて、一石二鳥というわけだ。

もの言えぬペットたちに、負担を強いることなく旅行ができたら……。ペットのしつけや車に慣らすなど、手間はかかるかもしれない。だが、大切な家族の一員とのびのび旅が楽しめる経験は、何ものにも代えがたいほどすばらしいのだ。