ミニ・ミニバン以上の広さ!?

フロントビュー
運転席に座るとロマンスカーの運転士にでもなったかのような気分になる。広大なウインドはフロントだけでなく、サイド、リヤと全方位のパノラマビューだ。全長3395×全幅1475×全高1750mm。価格は108万1500円~173万7750円
ミニバンの定義を「3列多人数乗車」とするなら、タントは当然ミニバンでもなくミニ・ミニバンですらない。しかし、ほとんど実用にならない、使わないミニチュア・サードシートを有することにほぼ意義を見出さない私や同調していただける方なら、タントは立派なミニ・ミニバンということになる。

驚異の空間とピラーレス&スライドドア

スライドドア
使い勝手はもちろん、側突などの衝突安全性、勾配での開閉や事故時の車外放出防止という安全面にも気を配って造られた助手席側ピラーレス&スライドドア
初代タントは03年11月に登場し、ダイハツの思惑を超えた人気ぶりを示した。もっとも開発陣は、「商品性を分かっていただければ売れるはず!」という自信を持っていたというが。軒並み軽自動車が全長と全幅の制約に苦しみ、よりルーミーな室内空間を確保すべく全高方向へ「背伸び」する中にあって初代タントの思い切りは他社より突き抜けた感があった。過去にもミニカトッポや派生車種のトッポBJなどがあったが、先輩達は商用車をイメージさせるボンネットが突き出たようなスタイリングで、タントの箱型とは異なる。とにかく、NBAの選手でも乗せるつもり!?というほど広大な頭上空間には驚かされた。

しかし、購入したユーザーからは頭上空間に代表される広さは「無駄ではなく余裕」と捉えられたようで、2代目もキープコンセプト。最大のトピックスは、軽自動車では初となる助手席側のピラーレス&スライドドアで「ミラクルオープンドア」と称する。前ドアがヒンジ式で後ドアがスライドというのは、三菱ekワゴンや今週に登場するスズキ・パレットなどがあるが、軽でピラーレスはない。

軽ではドアの厚みをそれほど取ることが難しく、ピラーレス&スライドドアを実現するのは困難だったという。しかし、トヨタのアイシスやラウムといった車種をお手本としながら試行錯誤の上に実現。この2台で実績のあるサプライヤーと協力しながら、最終的には同ドアタイプの特許を抑えるトヨタにロイヤルティを支払いながらも、実現したわけだ。技術的にはスライドの軌跡をどう描くのか、薄いドアにどう機構を詰め込むのか、ボディ剛性の確保をどうするか、などが立ちはだかった。

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