オンロードの走りも進化
高回転時のパワーは十分以上だが、スポーツ系SUVのようにトルクの立ち上がりは急激ではない。巨体がゆっくり加速しているように感じてメーターを見ると結構な速度で、スピード感のなさも印象的だった |
パワーに関しては、踏めばいくらでも得られるので必要十分といった印象。しかし、オフロード重視のセッティングのため、ホイールスピンするような猛烈な加速は影を潜める。100km/hまでの加速感でいえば、ヴァンガードの3.5Lのような「速い!」という感動はない。とはいっても決して遅いわけではなく、キックダウンすればいくらでも加速をしていくので、「能ある鷹は爪を隠す」というのがリファインされた4.7LのV8エンジンの姿だろう。実際に50馬力も向上し、燃費も若干良くなっている。静粛性に関しては、V8らしい野太さが若干耳に心地よく届く程度で、レクサスのエンブレムを付けても恥ずかしくないと思えたのはさすがにトヨタだ。乗り心地もコイルサスの恩恵か、MSタイヤの割には悪くはない。100km/hを超えるとどうしてもバタついたり、直進安定性に欠けるシーンもある。これだけ背が高く重心高も高く、タイヤの正確を考えればかなり良好な部類だが。比べるのは酷なのは承知の上で指摘すると、同じSUVとはいえジャンルが異なる最近の乗用車系高級SUVと比べると不満が残る。
驚きのクロールコントロール
車名のランドクルーザーの名に恥じないオフロード性能をさらに磨き、熟成することが、新型の第一の命題といえるだろう。そのために採用されたクロールコントロールは、熟練ドライバー不要の驚異のアクセル&ブレーキコントロールを見せる |
「KDSS」と呼ぶスタビライザーの作動機能は、日本での普段使いと年に数度のスキーなどではなくてもまったく支障はない。オフロードコースでガンガン走る、あるいはレスキューとして道なき道を行くのなら重宝するはずだ。
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