力強い走りが好印象
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販売的にはクルーガーの後を受け継ぐ形で登場したのがヴァンガード。北米版RAV4をベースに日本向けに作り直したRAV4のロングバージョンであり兄貴的存在といえる。価格は2.4Lが264万6000円~294万円、3.5Lが305万5000円~334万9500円。3.5Lモデルの7名乗りで全長4570×全幅1815×全高1690mm |
「どうせRAV4のロングバージョンでしょ」、走っても新鮮味がないのでは? と試乗前は先入観たっぷりに思っていたが、乗ってみると実に走りのバランスがいい。2.4Lで十分といえるほどの速さを備えており、街中だろうが山道の勾配だろうが、高速道路だろうがストレスとは無縁だ。3.5Lは280PSに達する。こちらは「もう十分すぎる」ほどの加速感で高回転の伸びもなかなか。スペック的にはポルシェ・カイエンのV6や、フォルクスワーゲン・トゥアレグのV6と同等だが、軽い分感覚的にはより速く感じた。乗り心地も良好で、やや引き締まっているが不快な突き上げなどはほとんど感じられない。RAV4よりも快適性は高い。
3列目をどうするかは熟慮を
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170cmのレポーターでドラポジを取り、その後の2列目はひざ前にコブシをタテに2つ、頭上には2つ程度の余裕がある。空間的には大人が2人ゆったりくつろげる。短時間なら3人掛けも許容範囲だろう |
ヴァンガードのウリのひとつは、3列目の設定にある。RAV4はもちろん、ホンダCR-Vなどこのクラスで3列目を設定しているのは、日本のSUVでは三菱アウトランダーくらいで、ホンダのクロスロードもあるが車格もターゲット層も異なる。3列目は、身長170cmの乗員だと20分程度の非常用というサイズ。150cm くらいまでなら座ってしまえば窮屈ではないだろうが、助手席側の2列目にウォークイン機構が備わるとはいえ、さすがにミニバンほど乗降性も良くない。7人乗りが必要という方は実際に座ってみてよく吟味したい。ラゲッジの使い勝手、積載性では5人乗りのほうが当然有利だ。リヤゲートは横開きを採用する。
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