NISSAN(日産)/日産の車種情報・試乗レビュー

「デュアリス&X-TRAIL FCV」試乗記(2ページ目)

プリメーラのデザインも手がけた英国のデザイナーによるフロントマスクが賛否を呼んでいる「デュアリス」。街で走る姿は思ったより映えるという印象。「X-TRAIL FCV」の試乗記を合わせてお届け。

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

完成度は高い

X-TRAIL外観
航続距離370km以上、最高速150km/hを誇るX-TRAIL FCV。全長4485×全幅1770×全高1745
横浜市やタクシーとしても納入されているX-TRAIL FCVに、こちらも短時間だが試乗できた。1996年から根気よく続けられてきた日産のFCV開発だけに、乗ってみると完成度は思ったより高く、実用的な電気自動車として、まだ課題は多くあれども明日市販されてもいいのでは? と思えるほどだった。1億円で売ってもおそらく赤字という価格と、水素スタンドなどのインフラ面など課題は、日産だけでクリアできる問題だけではなく、エネルギー業界や地方公共団体や国全体で解決しなくてはならないこともある。

ご存じのように燃料電池車は、水素と酸素を化学反応させエネルギーとする電気自動車。排出するのは水蒸気、水というゼロエミッションであり、エコカーの本命もしくは、主役と見られている。

聞こえるのはタイヤと他車の音


電池システム
最もコストがかかるのが燃料電池。レアメタルといわれる希少で高額な金属は、リサイクルをしながら使い続けるしかない。日産のFCVでは、自社開発のリチウムイオンバッテリーと、70MPaの高圧水素容器を搭載している
電気自動車の仲間だけに、スーッと加速し、もちろんエンジンという内燃機関はないから、聞こえてくるのはタイヤや風切り音などのロードノイズ。街中だとタイヤの音や、他のクルマのエキゾーストノートなどしか聞こえない。フロントにエンジンがないため、ノーズは軽く思いのほか軽快に走る。実用上不満は出ないだろう。燃料電池も車体のほぼ中央に積まれる、いわばミッドシップに近いかもしれない。後席の下には、リチウムイオンバッテリーや丸い形状の高圧水素容器が収まるため、非常に高い位置に座らせる。水素容量を減らしつつ、航続距離を確保するのがこれからの課題のひとつ。日本でも今後、70MPaの水素スタンドができるようなので、公道試験もよりやりやすくなるだろう。

10年後以内には、燃料電池車が選択肢としてチョイスできるようになるかは、日産など自動車メーカーや国などだけでなく、ユーザーの環境への関心を高めて、相応のコストを払うという思いや覚悟も必要になるはずだ。

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