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ヒットの予感!?新生ホンダ・フリード(2ページ目)

モビリオ、モビリオ・スパイクのバトンを受け継ぐカタチになるが、形もコンセプトもガラリと異なるのが、ホンダ・フリード。3列目席は想像以上に「座れる」空間だ。

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

3列目も想像以上に座れる

シート
2&3列目がベンチになる8人乗り、2列目がキャプテンシートの7人乗り、2列シートの5人乗りの3つのシートパターンを用意する
街中やショッピングセンターなどでのクルマの取り回し、とくにミニバンの使われ方に注意していた開発陣は、扱いやすいサイズでありながら、誰もが認めるミニバンを作ろうとしたという。初代プレマシーやカローラ・スパシオなどのかつてのコンパクトミニバンや現在のトヨタ・シエンタなどとの違いは、スタイルも居住性も「誰もがミニバンと認める」という開発思想にある。いままでのこうしたクルマ達は、ミニバンというよりもコンパクトカーの延長線上にあったからだ。

そして今回、生まれたフリード。実際の仕上がりはというと、まず乗り込みからラクチンである。お家芸の低床フロアはワンステップで路面からの高さは39cm。室内高も十分あるから身長170cmの私の場合は、横に身体を滑らせる感覚で乗り込める。これなら子どもやお年寄りでもラクに乗降できるはず。

1、2列目に座ってみるとシート自体はさすがに大きく立派とはいえないものの、街中中心の実用ミニバンとしてはまぁ妥当といえる大きさ。ただし、居住空間を稼ぐため、厚みはそれほどなくクッション性には大きな期待はできそうにない。1、2時間なら問題ないだろうが、それ以上のロングドライブの実力は未知数だ。機会があればレポートしたい。

注目の3列目は、2列目を一番後にスライドさせても予想以上に普通に座れた。膝は前の席に触れるが、この状態でもきちんとした姿勢で座れるのだ。さすがに肩は全部カバーしてくれず、シートの厚みもたっぷりとは行かないが、近所のファミレスに家族6人以上で行くという程度であれば十分だ。2列目のスライド位置を調整すればもう少し長い距離でもOK、160cmくらいの方であればなお「可」という3列目席だろう。

2列仕様もアリ!

ラゲッジ
3列仕様のサードシートは跳ね上げ式、2列仕様の後席は前に折りたためる。8人乗りの2列目はシートクッションとともに跳ね上げられる。フル乗車での荷室はミニマム
1.5Lクラスでは初となる8人乗り仕様は、たとえば現実的には少ないだろうが、170cm以上の乗員のフル乗車はそれなりにきつそう。2-3列目のウォークスルーが可能な、7人乗り仕様が一番使いやすいだろう。2列目の席自体もキャプテンタイプだから、座り心地もベンチシートよりもいい。

また、ラゲッジスペースに関してはフル乗車してしまうと、3列目仕様の場合はあまり荷物を置けない。小さめの旅行バッグを数個という広さ。乗っても5人くらいまでという方は2列仕様がオススメだ。モビリオ・スパイク的にラゲッジスペースを使える用品も充実している。自転車やウインターやマリンスポーツの趣味人、ディンクスなどは年に1回使うか使わない3列目は必要ないのではないだろうか?

3列目席の格納は、折りたたんで跳ね上げるオーソドックスな方法で、3列目はリクライニングのみでスライド機構はないから一度操作すれば覚えられる。しかし、ノア&ヴォクシーやセレナのようにダンパー、つまりバネが付いていない。ホンダの社内基準ではシートサイズと重量を考慮した結果、ダンパーなしでも「問題ない」と判断したという。女性も気軽に運転できるのがフリード、小学生くらいの子どもがいる家族にオススメできるミニバンだけに、操作力をやや必要とする今回の設計にはユーザーから注文が入るかもしれない。

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