シトロエン/シトロエン

バカンスの国のミニバン「C4ピカソ」

シトロエン「C4ピカソ」が6月21日に登場する。国籍でクルマのキャラが異なるとはいえないほど、グローバル化が進んでいるように見えるが、やっぱり日本車にはない個性で溢れている。

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド


日本製ミニバンでは味わえない

シトロエンC4ピカソ外観
ディテールは違うが、「タマゴ型のフォルム」はどことなくエスティマを想起させる? 全長4590×全幅1830×全高1685mmはゴルフ・トゥーランよりも全高を除き一回り大きいサイズ感。価格は345万円
シトロエンC4ピカソは、日本ではクサラ・ピカソ以来の新型となる。「2+3+2」の7人乗りで、3列目はシートサイズ、スペースともミニマムだ。ほぼ同じ全長をもつホンダ・ストリームと比べても明らかに狭い。しかしサードシートを床下に格納できるので、普段は5名乗車まで、子どもを乗せるエマージェンシーとして3列目があるという前提でチョイスするべきだろう。これだけ視界のいいクルマも珍しい。ある意味オープンカーよりも「開けっぴろげ」という感じがした。しかし、視界が広い割には、やたらと長いフロントウインドウまでの奥行きのせいか、取り回しがしやすい印象もしない。とくに左前の車両感覚をつかむのにやや慣れを要した。

最新装備を満載

C4ピカソ・リア
テールのウインドウも大きめで後方視界も良好。ミニバンでもシトロエンらしく、日本では個性的に映るのはファンにとって歓迎すべきだろう
全長はストリームクラスで、全幅はエスティマを上回るという欧州のミニバンらしいディメンションをもつため、見た目の軽快なデザインの割にドッシリとしている印象を受ける。エンジンは、1997ccの排気量から143ps/20.8kg-mという数値をたたき出す。トランスミッションは、2ペダルMTの「6速エレクトロニックギアボックス」とトルコン付きの4速ATだ。

運転席に座ると、視界はまるでロマンスカーの先頭車両のように広々としているのだが、ボディの四隅がつかみにくく、「横幅があるな」と感じる。パワーは大人4人乗車だと不足を抱くシーンもあるだろう。街中などの実用域での粘りはあるが、決してパワフルとはいえない。しかし、似たクルマを連想させない内外装のデザインや、醸し出す雰囲気はシトロエンらしく個性的だ。中身は先進装備のオンパレードで、自動でサイドブレーキが解除・設定される「オートマチック・エレクトリック・サイドブレーキ」や、「ヒル・スタート・アシスタンス」、縦列駐車時にそのスペースに停められるか否かを計測して知らせる「パーキングスペース・ギャップセンサー」などを搭載している。

次ページではシートについて。
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