ただし、あくまでも衝突安全装備のひとつであり、衝突回避を狙いとしたものではない。事前に衝突を察知すれば、その時間的な猶予を利用して、乗員に負担を掛けずにシートベルトの緩み取りができたり、急制動に対する支援装置を準備しているわけだ。衝突/非衝突の判断精度などが画期的に向上するならば、それにより適切な回避運転支援を行うシステムに発展すると思われる。可能性を考えると今は部分的な運用といった感も強いが、いずれは予防安全を画期的に向上させるシステムへと進化するのだろう。
余談ながらプリクラッシュセーフティシステムに使われるレーダーは、レーダークルーズコントロールシステムとは別のものを用いる。
SUVとして印象的なのはサスペンションやプロペラシャフト周りの構造、あるいは車体の防振遮音対策などなど、静粛性や乗り心地の向上を図る設計だ。この他に内外装編でも紹介したフロント&サイドモニターやこれからの高級車用装備の目玉商品のひとつとなるレーダークルーズコントロールシステムなどなど、様々な状況で快適なドライブを実現するためのメカが豊富である。ハードクロカン向けではないが、ロングツーリングを核として、アウトドアスポーツ&レジャーやタウンユースで心地よく使うメカが多く採用されているのが印象的である。手法的に上級セダン&ワゴンに近く、従来車でも高く評価されていた快適性の面で、新型車もまたSUV市場をリードするクルマになるのは間違いないだろう。