ヨシムラ盤石か? ホンダの逆襲は?
海外選手権のライダーも多数参戦し、選手層が非常に厚い「第33回・鈴鹿8耐」。自力で優勝を狙えるポテンシャルを持っているのは以下の4チームです。【ホンダ】
「#11 F.C.C TSR Honda」
秋吉耕佑/ジョナサン・レイ/高橋裕紀
「#33 Keihin Kohara Racing Team」
伊藤真一/玉田誠
「#634 MuSASHi RT HARC-PRO」
清成龍一/高橋巧/中上貴晶
【スズキ】
「#12 ヨシムラスズキ with ENEOS」
酒井大作/青木宣篤/加賀山就臣
この中で、最もマシンのポテンシャルが高いのが「#11 F.C.C TSR Honda」。最新のパーツが組み込まれたホンダのワークスマシンの速さは他を圧倒するものがあります。しかし、ジョナサン・レイが怪我で前哨戦の鈴鹿300km耐久を欠場し、ほとんど走り込みができていない状況からも本当のところは他チームに遅れをとっていると考えられます。
F.C.C. TSR Honda 【写真提供:MOBILITYLAND】 |
そんな中、300km耐久も見事なチームワーク、戦略で優勝を飾った「ヨシムラスズキ with ENEOS」は盤石の体制。一発の速さではホンダのワークスマシンに叶わないもののレースペースの速さに関してはヨシムラが優位と見ていいでしょう。心配されるのは怪我をおった加賀山就臣の状況。頼みの綱である有力ライダーが全くテストに参加できていない状況がチームにどんな影響を及ぼすことになるのでしょうか?別の第3ライダーをたてて3人体制を取るか、それとも酒井と青木の2人で8時間を戦うのか?ヨシムラの戦いに注目が集まります。
前哨戦300km耐久で優勝したヨシムラの酒井大作、青木宣篤。奥が加藤陽平監督。 【写真提供:MOBILITYLAND】 |
また、優勝候補の中で、コンディションが上昇気流に乗っているのが伊藤真一、玉田誠の元グランプリライダーコンビで挑む「Keihin Kohara Racing Team」。伊藤真一もこの春の全日本ロードレースで負ってしまった怪我から随分と回復し、安定したライディングが戻ってきましたし、何といっても玉田誠の元気のいい走りが素晴らしいです。世界グランプリという厳しい舞台を経験し、鈴鹿8耐でもワークスチームで戦ってきた2人は結構あっさり優勝をもぎ取っていくかもしれませんね。ちなみに伊藤真一は自身8度目のポールポジション記録更新、玉田誠は自身初の鈴鹿8耐優勝を狙います。
伊藤真一と玉田誠 【写真提供:MOBILITYLAND】 |
話題が豊富!今の鈴鹿8耐を感じよう!
鈴鹿8耐を語る時、よく耳にするのが「ガードナーや平の時代はよく見ていたなぁ」という意見。確かにバイクブーム期は異常な程に盛り上がった鈴鹿8耐ですが、メンバーは変われど、今は今で違った魅力があります。鈴鹿8耐 【写真提供:MOBILITYLAND】 |
レースペースを見ても、全盛期からは排気量が750ccから1000ccにアップしたこともありますが、決勝レースのスピードは今の方が遥かに速いですし、バイクの性能、タイヤの性能の向上が大きく影響し、ライダー達にとっては昔とは比べ物にならないくらい体への負担が大きくなっているのです。
そんな誰もが逃げ出したいくらいのキツイ状況の中でも鈴鹿8耐を走ろうとするライダー達には本当に感情移入させられます。熱中できるものが少なくなってしまった時代、熱いハートを持った人たちがスポイルされてしまう時代だからこそ、「鈴鹿8耐」は大切な存在です。今の8耐は全盛期を知る人にもきっと魅力的に映るはずですし、「昔は良かった」という非現実的な嘆きは無しにして、今の8耐をぜひ鈴鹿で感じてみてください。「鈴鹿8耐」は日本でただ一つ残された「魂のレース」です。
【関連リンク】
コカコーラゼロ鈴鹿8耐公式サイト
鈴鹿8耐オフィシャルブログ「8ブロ」
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