F1/F1(フォーミュラ1)について

これを読めばF1の2010年が分かる(1)(2ページ目)

2010年F1シーズンプレビューVol.1は「基本情報編」。今年のドライバーラインナップ、そしてレースカレンダーを確認しながら、前半戦の見所を分かりやすくご紹介していきます。

辻野 ヒロシ

執筆者:辻野 ヒロシ

モータースポーツガイド

全19戦、韓国でもF1が開催!

今年は昨年の17戦から2戦増加して、全19戦で争われるF1世界選手権」。ついに今年は「韓国GP」がF1カレンダーに加わり、今後F1人気の上昇が見込まれるアジアでのレース数がまた増加します。

R1. バーレーンGP (ザヒール) 3月14日
R2. オーストラリアGP (アルバートパーク) 3月28日
R3. マレーシアGP(セパン) 4月4日
R4. 中国GP (上海) 4月18日
R5. スペインGP (カタロニア) 5月9日
R6. モナコGP (モンテカルロ市街地) 5月16日
R7. トルコGP (イスタンブール) 5月30日
R8. カナダGP (モントリオール) 6月13日
R9. ヨーロッパGP (スペイン・バレンシア市街地) 6月27日
R10. イギリスGP (シルバーストーン) 7月11日
R11. ドイツGP (ホッケンハイム) 7月25日
R12. ハンガリーGP (ハンガロリンク) 8月1日
R13. ベルギーGP (スパ・フランコルシャン) 8月29日
R14. イタリアGP (モンツァ) 9月12日
R15. シンガポールGP (シンガポール市街地) 9月26日
R16. 日本GP (鈴鹿) 10月10日
R17. 韓国GP (ヨンアム) 10月24日
R18. ブラジルGP (インテルラゴス) 11月7日
R19. アブダビGP (ヤス・マリーナ) 11月14日

韓国GPが開催される予定の「韓国インターナショナルサーキット」はソウルから約320km離れた南海岸のローケーションに建設中で、釜山からの乗り継ぎ、またはソウルから鉄道で3時間半と、日本からはあまりアクセスが良いとは言えません。初開催ということで情報が乏しく、近隣のホテルやホスピタリティ面も含めて心配ごとが増えるかと思うので、韓国に近い九州方面の方も無難に鈴鹿の日本GP観戦をプランニングした方がいいかもしれませんね。
今年は久しぶりに鈴鹿でミハエル・シューマッハの走りが見れる!鈴鹿での日本グランプリのチケットは5月16日から発売開始。
【写真提供:Bridgestone Motorsport】


肝となるのは前半の4戦

今シーズンのカレンダーで特に注目したいのはヨーロッパを離れ、F1サーカスがアジア、オセアニアをホッピングしていく前半の4戦(バーレーン、オーストラリア、マレーシア、中国)です。

また後の章でも詳しく解説しますが、今年は「給油禁止」という大きなレギュレーション(規定)の変更があるので、特に前半4戦はニューマシンの素性、信頼性、そしてチームの戦略が大きくモノを言うことになります。僅か1ヶ月しかなかったウインターテストの間にチームがどれだけのデータを獲り、それをいかに解析できたかがハッキリする前半戦になるでしょう。
給油は無くなるものの、タイヤ交換は健在!
【写真提供:Bridgestone Motorsport】
今年も引き続き、シーズン中のテストは禁止されますし、1カ月間もの間、ヨーロッパを離れることになるので、特に開幕戦のバーレーンGP、第2戦のオーストラリアGPでつまづいてしまうと、マレーシアGP、中国GPも出遅れてしまうことになるでしょう。そういう意味では、どのチームが速いのか、戦略にバリエーションがあるのかが分かり、勢力図が明確になってくるでしょう。

また新規チームにとっては、上位入賞などを追い求めず、この4戦はほとんどテスト走行に近いレースになるでしょう。そして、拠点であるヨーロッパに戻り、シーズンを通じてうまく戦っていくための準備を行うことになります。

そして、この前半で何より注目したいのは、3年のブランクを経てF1に復帰するミハエル・シューマッハー(メルセデスGP)がどのようなレースを見せるのかです。史上最多7回ものワールドチャンピオンに輝いたミハエルは、41歳になった今も本当に速いのでしょうか?そして、彼が8度目のワールドチャンピオンを獲る可能性があるのでしょうか?F1を取り巻く関心事はミハエル・シューマッハーの活躍に集約されることになるでしょう。今も速ければ大いに賞賛されるだろうし、期待通りの実力が発揮されなければ、徹底的にメディアやファンからの批判を受けることになります。結果がどちらにせよ、シューマッハーの話題で持ちきりになることは確実です。
ドライバー業を離れて若干プックリした体をウインターテスト前にはしっかり絞ってきたミハエル・シューマッハー。勝利に対する執着心は誰にも負けない。
【写真提供:Bridgestone Motorsport】

さて、シューマッハーとの対決を心待ちにしているのが若いドライバーたちです。2006年を最後に彼が引退して以来、新しいドライバーも数多くF1に進出してきました。特にルイス・ハミルトン、セバスチャン・ベッテルらの新世代スターたちはシューマッハーに勝つことでさらに自身の評価を高めることもできます。ですから、シューマッハーには「速い」ドライバーであってもらわなくては彼らも困るのです。もし、若手ドライバーたちがシューマッハーと対等なバトルをシーズン通じて展開するとなれば、彼らは本当に意味で次世代スターになることができるでしょうね。

次回の「これを読めばF1の2010年が分かる(2)」ではドライバーにスポットを当てて今シーズンのF1を分かりやすくご紹介します。

【関連リンク】
Bridgestone Motorsport
↑F1全チームにタイヤを供給。サイトは情報が盛りだくさん

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