モータースポーツ/SUPER GTについて

GT500クラスの参戦チーム総覧!(6ページ目)

「SUPER GT」の2010年シーズンを戦うホンダ、レクサス、ニッサンのGT500クラスチームを一挙に紹介。ビギナーにも分かりやすく、チームの歴史や魅力をお伝えしていきます。

辻野 ヒロシ

執筆者:辻野 ヒロシ

モータースポーツガイド

23=ニッサンはワークスチームのエース番号

Car No. 「23」
マシン名 「MOTUL AUTECH GT-R」
チーム名 「NISMO」
タイヤ:ミシュラン
ドライバー:本山哲/ブノア・トレルイエ
略称 「23号車」「ニスモ」「モチュール」「モチュール・オーテック」
MOTUL AUTECH GT-R
今年は3台に減少してしまったニッサンGT-R。少数精鋭でチャンピオンを狙っていくとのことですが、その3台のうち「NISMO(ニスモ)」が走らせる「MOTUL AUTECH GT-R」は唯一のワークスマシンです。

「ニスモ」は日産モータースポーツインターナショナル株式会社の略称で、同社はかつては日産自動車内のレース部門でした。自動車メーカーのワークス・モータースポーツ活動を引き継いだ「ニスモ」はル・マン24時間レースなどに挑戦し、耐久王ポルシェやトヨタ、ジャガー、メルセデスなどに果敢に挑んできました。残念ながら悲願のル・マン優勝は実現できませんでしたが、全日本GT選手権には黎明期の93年から参戦し、6度のドライバーズチャンピオンに輝いている最強のチームです。

その強さの秘密は負けることが絶対に許されないワークスチームとしての「勝利への執着心」にあるでしょう。例えば、メカニックのタイヤ交換にしても日夜練習が繰り返され、レース本番で起用されるまでには1年や2年の訓練では済まないそうです。また、ニスモの社屋にはジムが完備されていて日々メカニックもトレーニングに励んでいます。さらに失敗が許されないプレッシャーの大きい中でも失敗しないようメンタル面のテストやトレーニングも行われるなど、非常に厳しい関門を通過した精鋭たちをレースの現場に送り込んでいるのです。常にピンと張りつめた勝負師たちのレース中のピットにはピットリポーターであるガイドも非常に入りづらいオーラを感じますが、ピットウォークの時などのファンサービスは欠かさず積極的で、この辺にも強烈なプロ意識を感じます。
ミスの少ないピット作業もニスモの強さ
【写真提供:日産自動車】
そんなニスモが今年は大勝負に出てきました。タイヤを長年使ってきたブリヂストンからミシュランへとスイッチし、新しいチャレンジを行います。果たしてこの判断がどういう結果をもたらすか?非常に興味深いですね。新しい3.4リッターエンジン、新しいタイヤといえども失敗が許されないのがワークスチーム「ニスモ」の宿命。彼らがシーズンを通じて導きだす計算式の答えが楽しみです。

【ニスモの最近の戦績】
2007年「MOTUL AUTECH Z」シリーズ5位
2008年「XANAVI NISMO GT-R」シリーズチャンピオン
2009年「MOTUL AUTECH GT-R」シリーズ3位

IMPUL=闘将、星野一義率いる硬派なチーム

Car No. 「12」
マシン名 「カルソニック IMPUL GT-R」
チーム名 「TEAM IMPUL」
タイヤ:ブリヂストン
ドライバー:松田次生/ロニー・クインタレリ
略称 「12号車」「カルソニックGT-R」「カルソニック」「インパル」
CALSONIC IMPUL GT-R
「SUPER GT」で欠かせないのが「カルソニックブルー」と呼ばれる青いカラーリングのマシン、「カルソニック IMPUL GT-R」。「TEAM IMPUL(チーム・インパル)」が走らせる12号車は昨年メインスポンサー「カルソニックカンセイ株式会社」のロゴが一時的に小さくなりましたが、今年は再び「CALSONIC」のロゴが大型化され、往年の雰囲気が戻ってきました。

「チーム・インパル」は「元祖・日本一速い男」の異名をもつ、元レーサーの星野一義監督率いる超名門チームです。オールドファンには星野さんのことを説明するまでもありませんが、ビギナー向けに解説するなら、日本のレーシングドライバーの中で最も勝利にこだわった人、それは星野一義だ!とお伝えしたいと思います。
星野一義監督
【写真提供:日産自動車】
現役時代の星野さんは全日本F2、全日本F3000、フォーミュラニッポンなどの国内トップフォーミュラをはじめ、ル・マン24時間レース、ツーリングカーレース、そして全日本GT選手権などで幾度となくチャンピオンに輝きました。70年代から長く日本のトップレーサーとして君臨したスーパースターです。

星野さんのレースに関する逸話は事欠かず、かつて日本で星野さんと戦ったことがあるF1ドライバーが、F1初優勝の記者会見の中で「日本にはホシノという速いドライバーがいる。ここに居られるのは彼のおかげだ」と名前を出したこともあるくらい現役当時の星野さんは海外のツワモノたちに負けない実力を誇っていました。

「ブッチギリ」での独走優勝を美学とし、そのレースに対する姿勢は現役を退いた今も全く変わっていません。「ブッチギリ」のレースをするドライバーには賞賛の言葉を送り、監督として自らもドライバーと一緒に心のアクセル全開で戦う姿勢はファンの心を虜にしてしまいます。「チーム・インパル」は戦う男、星野一義の魂がまさに凝縮されたチーム。一度ファンになったら、離れられないと思いますよ。

【チームインパルの最近の戦績】
2007年「CALSONIC IMPUL Z」シリーズ11位
2008年「CALSONIC IMPUL GT-R」シリーズ4位
2009年「IMPUL CALSONIC GT-R」シリーズ11位

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