あらゆる分野での世代交代が急務
レース界の高齢化は何も選手だけではない。チームスタッフもレースを支えるオフィシャルも若者が減り、特にレースオフィシャルに関しては人手不足が深刻になっている。昔は人伝いに紹介を受けオフィシャルは集まったものだが、最近は一般からも募集をせざるを得ない状況だ。一般募集でレースファンからオフィシャルになったはいいが、休日を使った厳しい活動やレースを観戦できない自由度の無さからか、あっという間に辞めて行く人も多いと聞く。しかし、中には情熱を持ってレース界に飛び込んでくる人もいるわけで、レース界は若いからといって、その情熱を軽く見てはならない。若者はレース界の常識を覆すかもしれない斬新なアイディアと感性を持っているはずなのだ。ヨーロッパのレースオフィシャルもかなり高齢化が進んでいる!? |
しかし、待っていてもクルマやレースに興味が無いのだから、彼らは自分たちからやってはこない。レース界から若者に扉を開け、入場を押しつけるのではなく、来るまで待ち、優秀な若者には好きなようにやれるよう任せる。それくらいのことをして、若い世代に独自のカーライフ、バイクライフを描いてもらわなければ、それこそ全て終わってしまうと感じる。一度、レース界から若いブレーンを募集してみてはどうだろうか?
歴史と伝統、そして新しいもの
日本に初の本格的サーキット「鈴鹿サーキット」が誕生して、あと数年で50年を迎えようとしている。日本のレースの歴史を振り返ってみると、その中で景気や社会の風潮に左右されながらレース界は栄枯盛衰を繰り返してきた。日本には自動車産業という基幹産業があり、レース界の停滞時にも経済が成長を続けていたからこそ、盛り返すことができたのかもしれない。自動車の文化、バイクの文化が失われつつある今、再興は期待できないだろうか?今、再興する確証はどこにもないが、灯を消さないことは必要だ。束の間の好景気でレース界にはたくさんの人がやってきたし(私もその一人)、中にはよく分からない怪しいビジネスをしかけに来た人も居る。レース界にあやかろうとした人も来年は潮が引いたようにサーッと引いて行くかもしれない。でも、世代交代は必要だが、レース界に多大なる貢献をしてきた偉大な人物も一緒に引いて行ったらそれは困りものだ。
日本にはもっと「ホンダコレクションホール」のようなレーシングカーを展示する博物館が必要。名勝負を演出したレーシングカーは残すべきなのだが・・・日本の税法上、売却せずに産業廃棄物にしてしまうことがほとんどだそうだ。 |
アメリカのインディカーではレースメディアにデータブックが配布される。年に1度しかレースを取材しないメ地元ディアもこれを見れば正しいデータに基づいた記事が書ける。非常にオープンな取材環境が存在し、同時に多くのメディアでレースが報じられる環境がある。 |
3回に渡ってお届けしてきた「レース業界は終わってしまうのか?」の記事はここで終了です。若輩者の独り言ですが、最後まで読んで頂いてありがとうございました。シーズンオフも明るい話題をたくさんお届けできるように頑張ります。来シーズンのモータースポーツ界、レース界の頑張りをお見逃しなく!
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