新カテゴリー「Moto2」に日本のシャシーが参戦!
世界選手権の「GP250」に代わるカテゴリーとして新たにスタートする「Moto2」は今までの「GP250」とは少し異なる雰囲気のレースだ。「GP250」ではバイクメーカーが製造したレース専用マシンが戦っていたが、「Moto2」はコスト削減の意味合いもあり、エンジンはホンダの600cc4ストロークエンジン、タイヤも全車がダンロップタイヤの使用が義務付けられる、エンジンおよびタイヤのワンメイクレースとなる。では、ホンダ製のバイクばかりで戦うレースになるのかというとそうではない。バイクの車体の開発製造は世界各国のシャシーコンストラクターに委ねられ、市販車部品の流用が禁止された「プロトタイプマシン」を彼らが作り、レースで競うのが「Moto2」の最大の特徴だ。
全日本ロードレースに登場したプロトタイプマシン、モリワキMD600 【写真提供:本田技研工業】 |
全日本最終戦にはTSRのマシンが参戦!
すでに全日本選手権では「GP250」のレースに「モリワキ」のMoto2用マシン、MD600が章典外でテスト参戦しており、GP250マシンをしのぐ速さで優勝を飾っている。そして、全日本の最終戦「MFJグランプリ」には「TSR」のMoto2用マシン、TSR6が参戦を予定している。残念ながら同レースに「モリワキ」は参戦せず、「TSR」とのコンストラクターズ対決は見られないが、「モリワキ」「TSR」共にオリジナルプロトタイプシャシーを製造して「MotoGP」に参戦した経験があり、その技術レベルの高さは世界中に知れ渡っている。それだけに両社のMoto2用マシンの仕上がりには世界からの注目が集まるだろう。
モリワキMD600 【写真提供:本田技研工業】 |
今後両社は開発したプロトタイプシャシーを世界各国のチームに販売することになっており、その覇権争いが楽しみだ。また、世界選手権の「Moto2」が成功すれば、日本国内はもちろん外国の国内選手権にもプロタイプのレーサーマシンによるレースが開催される機運が高まるだろうし、そうなればコンストラクタ―にとっては大きなビジネスチャンスにもなるだろう。モノづくりという観点からも新カテゴリーは非常に興味深いものになる。日本のコンストラクターの技術が再び脚光を浴び、彼らの夢が叶うことを期待したい。
ツインリンクもてぎで行われたGP250メモリアルラン 【写真提供:本田技研工業】 |
【関連リンク】
鈴鹿 MFJグランプリ
Honda Racing(全日本ロードレース)
【All About「モータースポーツ」】
All About モータースポーツ トップページ
All About「モータースポーツ」のメールマガジン好評配信中! 登録はコチラ