小さなF1、その本物がここにあった!
現在のレーシングカートの主流は排気量125ccの2ストローク水冷単気筒エンジンを搭載するカテゴリーだ。ローカルレース、地方選手権ではエンジンのチューニングが禁止されているが、国際格式のレースともなるとエンジンチューニングが可能となり、凄まじいパワーとトルクを持ったエンジンを使用しレースが行われている。今年のワールドカップには「SKF」というクラスが新設された。これは2007年からスタートした「KF1」クラスの改造許容範囲をさらに広くしたもので、「SKF」クラスではさらに高度なエンジンチューニングが施せるようになった。今大会においては各メーカーのワークスチームはこの「SKF」クラスにこぞって参戦している。
非ワークスチームのINTREPIDを駆るブラバンデル(ベルギー)に迫るトニーカートジャパンの佐々木大樹、そして各トニーカートワークスのギャリー・キャット(英国)が続く。
SKFクラスが設定された今大会、ワークスチームは最高レベルの体制で鈴鹿に挑んできた。海外ワークスチームの技術レベルは非常に高く、最新のパーツが取りつけられるのは当然で、パーツの配置方法なども従来のレーシングカートでは考えられない手法が取り入れられているという。
ロガーでデータを取るなど、やっていることはもはや4輪レースと同様のことになってきているレーシングカート。たかがレーシングカートと侮ってはいけない。レーシングカートは「小さなF1」と呼ばれるが、それは見た目や構造からそう呼ばれているだけで、こういった世界レベルの戦いでワークスチームのマシン作りや戦いぶりを見ていると、本当の意味でレーシングカートが「小さなF1」であることを認識させられる。
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