F1パイロットを目指す塚越広大にインタビュー
塚越広大 |
今や4輪レース界では知らぬ者は居ないほどにまで有名にな塚越。先日、成人式を迎え、大人の仲間入りを果たしたばかりだ。「天才少年」と形容される年齢ではなくなった。F1という目標にフォーカスを当て、成長を続ける塚越広大に話を聞いた。
【塚越広大 プロフィール】
1986年栃木県出身。
98年にJAFジュニアカートチャンピオンに輝き、03年にはレーシングカートの最高峰であるFSAクラスのチャンピオンとなる。翌年から18歳未満の実績あるドライバーに与えられる限定ライセンスを取得し、フォーミュラカーレースにデビュー。05年にはフォーミュラドリームで全戦全勝の偉業を成し遂げ、06年は全日本F3選手権にフル参戦。マカオGPへの挑戦も果たした。
塚越にとって試練の2006年。
フォーミュラドリーム時代の塚越広大 |
彼の非凡な才能は05年のフォーミュラドリーム全戦全勝という記録が証明している。向かうところ敵無しのオーラが漂っていた2005年。しかし、全日本F3選手権にフル参戦した2006年は周囲の期待をよそに意外な程にもがき苦しんだ年となった。
全日本F3選手権を戦った塚越広大の走り (写真提供:鈴鹿サーキット) |
「去年は試練の年でした。本当にうまくいきませんでした。スタートで何度もミスをしてしまって、あせりがあせりを生んで、速さがあっても強さが無かったですね」
ポールポジションは何度も獲得したがスタート時のミスが目立ち、優勝は僅かに1回のみ。シリーズランキングも6位と不本意なシーズンになった。レースウィークの塚越の顔は曇りがちだったが、周囲の反応はどうだったのだろうか?
塚越広大のルーツとなるのはレーシングカート。 |
僕にもそういう時代があったんですよ」
確かにフォーミュラにデビューした時の塚越はセンセーショナルだった。関係者だけでなくファンも「天才少年を見つけてしまった」という感覚に陥ったが、当の本人はあくまで冷静だった。好調な時も常に悩み苦しんでいる「本当の自分を見て欲しい」と塚越は語る。
次のページでは初参戦となったF3マカオGPについて話を聞いてみよう。