日本とスペインを往復する日々 揉まれる14歳のライダー
自分のレース直前であっても先輩ライダーの応援、手伝いは欠かさない。笑顔も見せる余裕がある。 (写真:Yoshi KITAOKA) |
また中上はスペインと日本を往復するハードスケジュールでレース中心の生活を送っている。そんな中上にレース以外で興味を持っていることを聞いてみた。
「移動したり、レースをしたりで他に何かをする暇が本当にありません。友達ともっと遊びたいと思うことはあります。スケジュールはハードですが、バイクに乗っているだけで楽しいです。苦になることは全くないです。バイクに乗れることが僕にとっての幸せです」
普通の14歳では考えられない生活をしながらも、中上は学校にも通い、トレーニングも欠かさないという。トレーナーなどは特につけず、ランニング、自転車、水泳など自分でメニューを決めて日々体力作りを行っているというから驚きだ。
夢はMotoGPチャンピオン 夢は世界へと羽ばたく
全日本ロードレース最終戦でトップを走行する中上貴晶。 (写真:Yoshi KITAOKA) |
「目標はMotoGPでチャンピオンになることです。ハタチぐらいでMotoGPクラスに乗って、いつかチャンピオンを獲りたいです。来年のことはまだ決まっていなくて、いろいろ考えているところです。来年から世界GPに参戦できる年齢になります。でも、無理をしたくない。世界GPでは1年目から優勝を狙っていきたいので、その準備も考えています。」
テレビや雑誌の取材なども殺到し、各方面から注目が集まっている。そのため様々な大人の関係者がいろんな意見やアドバイスを中上に送っているだろう。しかし、話をしていて感じ取れたのは、彼には自分で判断し、目標に向かって歩む能力があるということだ。
中上の目標は決まっている。
次のページは全日本ロードレース最終戦の中上の戦いぶりをレポートする。そして最後に読者に向けたメッセージを寄せてくれた。