ちゃんと公道を走っているレアGTカー、ヴィーマック
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今シーズンのシリーズランキングをリードしているVEMAC 320R。 |
VEMAC(ヴィーマック)は2002年にGT300クラスにデビューし、いきなりポールポジションからの優勝を果たした超ド級のポテンシャルを持ったGTマシンだ。すでにSUPER GTには欠かせない存在となっており、今年もGT300クラスにエンジンなどタイプの異なる4台のヴィーマックが参戦している。
VEMACは日本の東京R&D>が中心となってイギリスと日本で共同開発されたロードゴーイングスポーツカーで、元々はサーキットレース用に制作された2座席レーシングカー「カドウェル」のオーナー達からの「公道で走れるものが欲しい」という声に応えて開発されたクルマである。このVEMACを純正レーシングカーだと思っている人が多いが、このVEMACはちゃんと
公道仕様のベース車両が存在し販売されている、れっきとしたGTカーなのだ。
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富士スピードウェイのパドックで見かけたヴィーマックのベース車両。 |
販売されているVEMACの公道仕様車はホンダ製の2000ccエンジンを積んだVEMAC RD200Rのみだが、SUPER GTに参戦しているVEMACはそれをベースにした車両だ。公道走行用だけでなく、水冷V型6気筒3.5リッターNAエンジンを搭載したRD320R、水冷V型8気筒4リッターNAエンジンを搭載したRD350RはSUPER GT用車両として市販されており、これを購入すればいきなりSUPER GTに出場することも可能なのである。またM-TECのV8・4.5リッターNAエンジンを搭載するRD408Rも東京R&Dのレース開発チームとして参戦し、第3戦富士では見事な優勝を飾っている。第6戦、鈴鹿1000kmを終えた時点でGT300シリーズランキングをリードしているのはRD320R(密山祥吾/谷口信輝組)。第6戦まではdirexiv motorsportとしてエントリーしていたこのチームはメインスポンサーの撤退により、新体制を築いての参戦継続を模索しているところである。今シーズン、VEMAC勢は4台共に安定した速さを見せており、今後も上位入賞が期待できるマシンである。改造範囲が多岐に渡り、世界一のレベルの高さを誇るSUPER GTにノウハウを持たないプライベートチームが市販の外国製車両で参戦するのは至難の業である。しかし、このVEMACは日本の優秀なスタッフによってケアがなされることもあり、新規参入チームがSUPER GTに参戦するにあたって大きな力となるマシンである。
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第3戦富士スピードウェイで優勝を飾った#62 WILLCOM ADVAN VEMAC408R。(SUPER GT.net) |
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昨年の東京モーターショーではハイブリッドエンジンを搭載したレース用VEMACも展示されていた。 |
VEMAC ホームページ
大排気量のアメリカンGTカー、モスラー
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ブロロロロッといういかにもアメリカンなエンジンサウンドを奏でて走るモスラーMT900R。 |
GT初年度はグループCカーがGTカーを名乗って出場したこともあったが、SUPER GTで元祖グループC”もどき”と言えるのがモスラーMT900Rだ。アメ車に拘って参戦を続けるA&S RACINGが2001年より走らせているこのマシンはアメリカの
モスラー車が製作するパイプフレームシャシーにシボレーのV8エンジンを組み合わせている。排気量は6000cc、全長は2086mmとどちらもSUPER GT出場マシンの中で最も大きい。フォーミュラカーのような動きをするSUPER GTマシンの中で、モスラーMT900Rは大柄でいかにも重そうな動きをするマシンであるが、野太いエンジンサウンドはSUPER GTには無くてはならない存在だ。リアカウルを開けてメンテナンスをしているところを覗いてみると、フレームの中は実に複雑な作りになっており、メンテナンスも大変そうに映る。豪快なアメリカ人的発想から産まれたマシンなマシンの作り方もそのままアメリカンである。すでに登場から5年目のシーズンを迎えており、大きなアップデートもされていないので上位進出は難しいが、情熱を持って参戦を続けて欲しいものだ。
公道仕様のモンスターマシン、MT900S189,000ドル也
まだまだあるSUPER GT/GT300クラスのスーパーカー!
次のページでもたっぷり紹介します。