サーキット観戦のススメ(3ページ目)

サーキットの複合施設でレースウィークをエンジョイ！

ツインリンクもてぎにある「ホンダコレクションホール」に展示されている歴代のマクラーレンホンダ。F1マシンの他、世界GPを戦った名レーシングカーがズラリと並べられている。

サーキットによっては常設の複合施設を持ちレース以外でも見所の多い所もあります。今年６月経営統合し、ひとつの会社になったツインリンクもてぎ（栃木県）と鈴鹿サーキット（三重県）はその代表格。まさに「車とバイクのテーマパーク」のごとく様々な複合施設を持っているので、何度も足を運びたくなります。

特にツインリンクもてぎにある「ホンダコレクションホール」は必ず足を運んで欲しい必見の施設です。レースを最近見始めたばかりという人には、昔のレーシングカーとしか写らないかもしれませんが、レースをどんどん好きになればなるほど、ここに展示されているマシンがいかに貴重なものかがお分かり頂けると思います。時代と共に変遷してきたデザイン、技術者達が悩みに悩みぬいて作り上げたレーシングカー、それをドライブし勝利へと導いた選手達のパワー。静止して展示されているものの、今にも動き出しそうなエネルギッシュな姿は一見に値します。

本格的なレーシングカートでタイムアタック。レーサー気分を味わえる鈴鹿サーキットのモータースポーツランド。プロのレーシングドライバーと一緒に走れるイベントも開催される。（写真提供：鈴鹿サーキット）

鈴鹿サーキットの最終コーナースタンド裏手には本格的なレーシングカートでタイムアタックが楽しめる「モータースポーツランド」があります。自動車運転免許があれば、レーシングカートに乗ることができるのです。ヘルメットやグローブも走行料金に含まれており、半袖シャツやスカートで来場した人には必要な着衣も貸してくれる。本物のレースを見て興奮したら迷わず自分もアタックしてみましょう。好タイムをマークすれば、ライセンスを発給でき、次回からはさらにスピードの出るカートに乗車可能となります。

魅惑のグランドスタンド！　レースの状況を把握したいならココ！

富士山をバックにそびえ立つ富士スピードウェイの立派なグランドスタンド。場内放送がエンジン音にかき消されないように最新の音響設備が整っているところも嬉しい。

レースを初めて観戦するならスタート、ゴール地点の前にあるグランドスタンドをオススメします。ピット作業が把握できるし、サーキットによっては大型ビジョンもグランドスタンドの前に設置されています。どのマシンが今トップを走っているのかを把握するならやはりグランドスタンドでしょう。

レース観戦暦の長いファンの方はコーナーで見るパターンが多いようです。それぞれの定位置を決まっていて、サーキットに着くなりコーナースタンドへと向かう人はかなり立派なエンスーですね。しかし、どこで見るのがいいのか、自分の定位置を見つけるまではグランドスタンドを拠点にし、時間があるときにコーナーに出かけてサポートレースを観戦してみましょう。

テレビでは伝わりにくいこの迫力！　レースは絶対現場主義！

ド迫力のコーナリングを見せるライダー。こういうシーンが自分の目で見れるのが生観戦の良いところ。何物にも変えがたい非日常がそこにあります。（写真提供：鈴鹿サーキット）

爆音と共に駆け抜けるレーシングマシン、見ているだけで恐怖さえ感じるスピード、渾身のアタックを披露するドライバー＆ライダー。様々な起伏に満ちた感情が渦巻き、ひとつになって信じがたいエネルギーを発するスポット。サーキットはまさにそんな所だと僕は思います。

モータースポーツは他のスポーツは全く違う迫力を持ったスポーツであり、エンターテイメントです。サーキットは遠いところにあります。行くまでに時間もかかるし、体力も使うけど、それを補って余りあるエネルギーをもらえると思います。試合を見て、みんなで一緒になって応援する。野球やサッカーのように同じことをサーキットでも楽しめます。でも、モータースポーツイベントはそれだけではありません。

多様化するレジャーニーズの中、サーキットでのイベントは大きく変わりました。ここまで書いてきたようにレース以外にも楽しめることがいっぱいあります。レースのことはよく分からなくても、まずは音とスピードを現場で感じてもらうことで充分です。そこから感じるものがあるはずです。一度サーキットに来て、この非日常の世界を感じてみてください。きっとあなたの中に新しいフィールドが産まれると思います。

モータースポーツを愛する一人の人間として、読者の皆さんがサーキットに来てくれることを心からお待ちしています。この迫力と興奮を一緒に感じましょう！