TOYOTA(トヨタ)/トヨタの車種情報・試乗レビュー

レクサスを超えたマジェスタに足りないモノ

トヨタブランドの最上級車に位置づけられる新型マジェスタ。足回り、質感ともに大幅に向上し、レクサス以上の快適性を実現したマジェスタに足りないモノとは一体なにか?

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

荒れた路面は苦手だったが……

新型マジェスタ
事実上、トヨタブランドの最上級車に位置づけされるマジェスタ。前回は「車格の法則」について触れたが、今回は試乗レポートを紹介

100年に一度と言われる不景気のまっただ中という時節柄、割高感のある商品は全面的に厳しい。今回試乗した新型マジェスタの場合、最廉価グレードで610万円。相当な高額商品である。果たして価格以上の魅力を持っているだろうか?

まず試乗といこう。Dレンジをセレクトして走り出すと、意外や意外。正統派の良いクルマだったりして。これまでマジェスタと言えば、足回りに大量の柔らかいブッシュ(ゴムのようなもの)を使い、無理矢理路面からの振動を吸収していた。

結果、良好な路面状況ならソフトで滑らかな乗り心地を実現できていたものの、少し荒れた路面になるとドタバタし、高速域では柔らかいブッシュが変形。直進安定性に悪い影響を与えてしまう。ドイツ車に遠く及ばないハンドリング&乗り心地でありました。

新型マジェスタ
硬めのブッシュを用いるなど従来の足回りの考え方を変更。乗り心地とともに、クルマとしての質感を大幅に向上させた

ところが新しいマジェスタはこれまでと全く考え方を変えたのだろう。硬めのブッシュを使い、ショックアブソーバーで路面デコボコを吸収しようとしている。ベンツのようなアプローチをしてきたワケ。実際、クルマの質感がイッキに上がったから面白い。

どんな路面状況でもボディはビシッと安定しており、その気になればスポーティーカーと同等のコーナリング性能を見せる。それでいて乗り心地たるや上質。これまたどんな路面状況でも騒音レベルが変わらない(従来型は良好な路面のみ静か)。

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