SUZUKI(スズキ)/スズキ

似て非なるスズキ・パレット 試乗レビュー

ダイハツ・タントのコンペティターとして登場したスズキ・パレット。広大な室内空間にトールボディ、見るからにタントそっくりだが、中身はどうなのか?試乗してタントと比較しながら話をすすめていこう。

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

スズキ初のケース

パレット・フロント
NAエンジンを搭載した売れ筋モデルのX。エンジンの基本設計は古いが、アイドル時の振動・騒音は少ない

写真を見ていただければわかる通り、今や大ヒット車となったダイハツ・タントの対抗馬である。ちなみにスズキがダイハツの後追いをしたケース、初めて。(ダイハツ)ムーブなど(スズキ)ワゴンRの完全なマネですから。もはやタントのように広さを最大限まで追求したモデルを持ってなければ勝負できない、ということなのだろう。

パレット・リア
見ての通りのトールボディだが、コーナーでのロールは意外に少ない

1台目の試乗車はターボ無しエンジンの売れ筋モデルである「X」。エンジンを掛けると、軽自動車と思えないくらいアイドリング時の振動&騒音少ない。スズキの3気筒エンジン、基本設計から10年以上経っており軽自動車業界で最古に近いが、凝った吸音システムやエンジンマウントを採用しているそうな。

動力性能自体は「奥さんのお買い物、子供の送り迎え用に使うなら十分でしょう」といったところ。特筆すべき点こそないものの、大きな不満無し(燃費は街乗りに近い乗り方でリッター14km程度)。ただ設計の新しいダイハツやホンダのエンジンに比べハッキリ劣勢。低回転域のトルクが物足りず、かといって回転数上げれば賑やか。スズキもパワートレーンの旧態化は強く認識しているようだ。

ハンドリングはどうか? 背の高い軽自動車の場合、過大なロールに悩まされがち。パレットのハンドルを握ってみたら、上手に仕上がっている。全車にフロントのスタビライザーを装備したり、新型タントと同じくフロントのショックアブソーバーに定評あるショーワ(良質なショックアブソーバーを使えば、ロール量を決めるスプリングを硬くしても乗り心地が悪化しない)を使うなどの対策を施しているためだろう。

パレット・ターボ
上級モデルのターボモデル。パワーはあるが、ハンドリングや乗り心地はNAと同様

上級グレードのターボ車にも試乗してみた。「Mターボ」と呼ばれる実用性重視のエンジンを積んでおり、1000cc級のターボ無しエンジンのようなイメージ(街中燃費はリッター12km台半ば)。150万円から160万円という価格になるが、ご予算豊富ならこちらを選ぶのもいい。ハンドリングや乗り心地はターボ無し車とほぼ同じ印象だ。

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