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安いだけじゃない!走りも楽しめるホットハッチだ! スイフトスポーツは面白い!

「泣く子も黙る79万円」のCMでお馴染みのスズキ・スイフトに元気のいいエンジンを搭載したスイフトスポーツが追加された。このスイフトスポーツはジュニアWRCと呼ばれるラリーのベースモデルとなるクルマだ。

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

スズキ スイフトスポーツ(119.0万円)5MTのみ


スズキはここに来て急速にヨーロッパでイメージアップしてきた。なぜか? 『JWRC』というWRC(世界ラリー選手権)の中のFF1600ccクラスでダントツの速さを見せているからだ。『イグニス』というモデルで参戦しているのだけれど、デビューイヤーとなった昨シーズンは良いトコロ無し。出ればリタイヤか完走しても下位という状況。しかし今シーズンの開幕戦モンテカルロラリーで突如炸裂! つまらないトラブル(交通違反で捕まりタイムオーバー)さえなければぶっちぎりの優勝という速さを見せる。その後も毎戦トップに出る展開なれど、運を味方に付けられず2位までしか取れず。でもファンはイグニスの速さを認めていると思う。

実際、イグニスの売れ行きは急上昇しているそうな。そのイグニス、日本では『スイフト』という車名で売られているが、これまで話題に上がることすらなかった。今年になって79万円という激安モデルを追加。月販3千台近いヒットとなったものの、安いから売れるだけで自動車好きからすれば「あまり興味なし」といった感じ。そんな中、突如JWRCで大活躍しているイグニスをイメージしたモデルを発表したのである。内容を見てビックリ! 圧縮比を9,5から11までアップさせ、ピストンは鍛造材を使用。吸排気系も全部見直したエンジンを搭載。その他ボディ補強や、スポーティサスペンション、専用ブレーキパッドの採用など気合い十分!


凄いのは価格で、オーディオを除き”ほぼ”フル装備なのに加え、レカロ社と共同開発したシートやアルミホイールまで標準装備して119万円! 圧倒的に安い。となれば乗ってみなければならないでしょう! タイトな座り心地のシートは職人の仕事だけあり、スズキ製のフレームを使っているのにレカロの味がキチンと出ている。クラッチ踏んで1速にシフトし走り出すと、予想していた以上にエンジンがいい! 絶対的なパワーこそ115馬力で特筆すべきレベルじゃないけれど、チューニングエンジンらしく気持ちよい回り方。ついつい高回転まで引っ張りたくなってしまう。このエンジンだけで119万円の価値あります。

足回りは「適当」にスポーティ。ライバル車と比べればシャッキリしていて好ましいが、もっともっと良くなると思う。このあたり、スズキの限界なのかもしれない。硬い割に攻めるとヨレてしまうのだ。おそらくリアサスペンションの横剛性不足でしょう。フロントは剛性感あるから、リアだけ補強すればイッキに良い感じになりそう。119万円という価格を考えると現状で100点なれど、あと10万円高くなっていいので、もう少し足回りにお金掛けたらどうか。素晴らしいコンパクトスポーツになるハズ。ちなみにオプションのカッティングシート(5万6千円)を張ると、JWRC仕様のイグニスになります。相当欲しくなった。
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