トヨタすら顔色を失うような爆発的売れ行きを続けるフィットに、4ドアセダンモデルが追加された。考え方としてはトヨタの『ヴィッツ』にトランクスペースを付けた『プラッツ』のようなもの。トランクを必要とするユーザーのためのコンパクトカーだと思えばよかろう。

興味深いのはタイ国製である点。日本で生産しても採算ベースに乗るほど売れまい、というホンダの判断か。加えてタイを始めとしたアジア地区には、このクラスのセダンが欲しいというユーザーが多い。また、昨今の技術からすれば、生産国に関係なく同等のクオリティを持たせることも可能。ベンツですらCクラスの右ハンドルは、南アフリカ製なのだ。

といった認識でアリアに乗ってみると、いろんな意味で「けっこう違う!」と感じさせせられる。最も意外だったのは、走りの味そのものからして雰囲気が違うこと。これ、悪い意味でも良い意味でも、だ。悪い方は、1,3リッターのエンジン振動。フィットだとあまり感じないアイドリング&アクセルとブレーキ両方離したノロノロ走行時の振動が、アリアだと明確に出てしまっている。

ハンドルの落ち着きもアリアのほうが印象悪い。逆に乗り心地とハンドリングのバランスはアリア優勢。特に乗り心地がいい。聞いてみると、タイ生産のショーワ製ダンパーを使っているそうな。フィット(日本生産のカヤバ製ダンパー)にもこのダンパー使って欲しいと思う。

クルマの仕上がりはインテリアを中心に若干粗っぽい。例えばドア内張りに使われている樹脂部品の切断面を見ると、スッパリ切れているフィットに対しアリアはギザギザ。樹脂部品の合わせ目から内部のウレタンのような素材が見えているクルマや、パーキングブレーキを戻した状態なのに赤い警告ランプ点きっぱなしのクルマもありました。

もちろん機能的な問題は無く、パーキングブレーキのような部分はマイナートラブル出たって保証で修理してくれるから心配しなくていい。ホンダに聞くと「今回乗っていただいたのは初期生産車です。量販車になれば改善されていると思います」。初期モデルに付きものの症状だと私は楽観視している。

もう一つ驚いたのがトランクの広さ。基本的に効率の良いボディ設計を持つためか、トランク付けたら「圧倒的!」な容量になってしまったようだ。折り畳み可能なリアシートの背もたれを前に倒すと、身長183?のレポーターが足を曲げずに寝られるほど長いスペースに。

つまり運転席&助手席の背もたれから、トランクの最後端まで183?あるということ。この長さ、レガシィやカルディナなどミドルクラスのステーションワゴンと同等。セダンで言えば2リッタークラスと同じくらいのトランクスペースといってよかろう。「小さなセダン」に魅力を感じるかどうかは別問題ながら、119万8千円ならお買い得だと思う。
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