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スイスで時計づけになった日々のつれづれ バーゼル&ジュネーブ取材日記 -7

トゥールビヨンな日々、怒濤の第7弾。毎日はりきりながらも、そろそろ油が切れつつあるかも……。そんなときはヴァン クリーフ&アーペルとピアジェのジュエリーウォッチを手にとって、うっとり夢心地。

執筆者:本間 恵子

■2005年 4月5日(火)

8時20分のシャトルバスに乗って《SIHH》へ。会場で供されているクロワッサンとコーヒーで朝ご飯。この日はピアジェなど8社を取材。

ジラール・ペルゴからは名作〈ヴィンテージ1945〉のミニ版クォーツモデルが出ていて、かわいい。メンズのデカ厚時計のトレンドは今年も衰えていないが、レディスの大ぶり化はすでに終わり、小さめでエレガントになってきているように思う。どのブランドも、ミドルサイズを強引にレディスと呼ぶのをやめて、ユニセックスという呼び方をするようになってきた。

ヴァン クリーフ&アーペルに行くと、〈ムッシュー アーペル〉のトゥールビヨンが用意されていたのでびっくり。ベースムーヴメントはピアジェのフライングトゥールビヨンだという。同じく〈ムッシュー アーペル〉のGMT アラームも、鈴をふるようなキレイな音でまたびっくり。一般的なアラームの「ヂヂヂヂヂ……」という地虫の鳴き声のような音とはかなり異なる印象。ジャガー・ルクルトの世界最小手巻きムーヴメント、キャリバー101を使ったハイジュエリーウォッチもあった。マルチブランド企業の利点を最大限に生かしたモノづくりだ。

続くIWCの記者会見では、クルト・クラウス氏ご本人が新作をプレゼンテーションしてくれた。が、新しくなった〈インヂュニア〉の説明が佳境にさしかかり、クラウス氏がヒートアップしてきたところで時間切れとなって、会場を抜け出してしまった(ごめんなさい)。速攻でタクシーを拾って《WPHH》が開催されているフランク・ミュラーのウォッチランドへ向かう。

フランク・ミュラーでは〈クレイジーアワー〉にデイトがついた新作があったが、デイト表示もクレイジーになっていた。このままどこまでもいってください。ブラックダイヤモンドを敷き詰めたケースに、トレンドカラーのパープル文字盤をあわせた〈ブラック マジック〉は、かなりスタイリッシュ。この日の記者会見にはミュラー氏本人が来るという噂があったが、会見には出席できずにSIHHへとんぼ返り(結局、姿は見せなかったらしい)。

最後は、ロジェ・デュブイ。ひとつの時計にふたつのトゥールビヨンが搭載された新作を見せてもらう。キャリッジがそれぞれ右方向と左方向に回転してます……もう何がなにやら。さらに、ブース内の秘密の小部屋には、かなり充実したジュエリーコレクションが飾られていた。キスマークのモチーフなど、カルロス・ディアス・テイストのどぎついデザインだが、なかには造形的にかなり優れた美しいジュエリーも多々あって、いたく感心。残念ながら、日本への入荷はまったく未定とのこと。

夜は、ピアジェ主催のディナーパーティ。新作〈ガーデン・オブ・ザ・センス〉のコンセプトと同じく、さわる・聞く・見る・かぐ・味わうといった人間の5感をテーマにしたしつらえで、わたしは徳間書店のT中氏、時計ジャーナリストの名畑政治氏らと同席。会場には『情熱大陸』のテレビクルーをしたがえた『レオン』岸田編集長の姿も(5月8日放送予定とのこと。見ましょう)。

ディナーを楽しみながら、コミュニケーションのミシェルさんから、バラモチーフの新作時計は“イヴ・ピアジェ”と名づけられた美しいバラをイメージしていることを教えてもらう。厚く花びらが折り重なったピンク色のバラで、ディナーの終盤には花の作り手であるピアジェ家の4代目、イヴ・G・ピアジェ氏本人も登場。1輪いただいて帰ってベッドサイドテーブルに飾る。日持ちが悪いらしく、すぐ枯れる。

ピアジェ〈ガーデン・オブ・ザ・センス〉

ピアジェ
〈ガーデン・オブ・ザ・センス〉
www.piaget.com

〈ローズ・リング〉
18Kホワイトゴールド/
ピンクサファイア計6.10カラット/
ダイヤモンド計1.32カラット/

〈ローズ・マンシェット・ウォッチ〉
18Kホワイトゴールド/
ピンクサファイア計15.2カラット/
ダイヤモンド計73ピース/
クォーツ

ともに価格未定

 

■2005年 バーゼル&ジュネーブ取材日記
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