なぜ必要保障額を考えなければいけないのか
自分が亡くなった時に家族にお金を残したいと考えて、生命保険を利用しようとしたとき、なぜ必要保障額を考えなければいけないのか?理由は一つ。保険料をできるだけ抑えるためです。
生命保険には貯蓄性の高い資産形成のツールとしての性質を持った保険と、純粋に保障のみを求めた掛け捨ての保険があります。
貯蓄性を求めた場合、お金をためることが目的なので、保険料はコストではありません。代金を払っているわけではありません。しかし、掛け捨ての保険は代金を払って保険金を受け取る権利のみを買っている形になります。
一般の家庭で生命保険に加入する場合、学資の準備や、老後の資金準備といった目的以外に保険に加入する場合は、収入を担っている一家の大黒柱が亡くなってしまった場合の純粋な死亡保障が必要になります。この場合は貯金が目的ではないので、代金を支払って保険に入るわけです。
家計をやりくりして、支払うので安くなるものなら安くしたい。このような人のために必要保障額は求める必要があるのです。
よく、保険商品によって、保険会社によって保険料が違うからと言って、まず先に保険商品や保険会社選びを始める人がいますが、これは大きな間違いです。
大抵の場合、必要保障額を見極めるという作業が面倒で、商品選びに走ってしまう方がほとんどですが必要保障額を見極めたほうが保険料を抑えるには効果が大きいのです。
お金があって、いくら保険料を払っても良いのであれば別ですが、おそらくこのサイトを訪れる方にそんな方はいないでしょう。大まかでよいので必要保障額を把握するべきなのです。
必要保障額の考え方
自分が亡くなったら一体いくらかかるか、なんて考えるだけで面倒です。算数が苦手、数字が苦手の人にはちょっと苦しいかもしれませんが、保険料を抑えるためです。ここは踏ん張ってちょっと視点を変えてチャレンジしてみましょう。残された家族がお金に困らないようにするために必要なお金が必要保障額です。たしかに必要保障額=数千万円というと、漠然としすぎていてイメージがつかめないかもしれませんね。
しかしここを切り替えます。必要保障月額、すなわちお金に困らないようにするためには毎月いくら保険会社からお金が入ればよいかを、まず考えてみるのです。
奥さんやご自身で家計簿をつけている方は家計簿を出してください。家計簿をつけていない家庭はとにかく領収書や毎月各種料金が引き落とされる預金通帳を引っ張り出して下さい。
まずは現状、毎月いくらの支出があるかを把握します。収入で考えてもよいですが、毎月の家計が赤字でない限り、お金が余っていくことになりますから、収入で考えると必要最低限とは言えなくなってしまいます。
第一に現状把握から。しっかりと家計管理できていない家庭は、ここでいま自分の家にどのくらいのお金が必要かが把握できるはずです。
一家の大黒柱がお父さん。お母さんは専業主婦で収入はほとんどありません。こんな家庭の場合を考えて見ましょう。子どもは3歳、5歳の2人の場合です。
毎月の支出は住宅ローン以外は25万円前後です。お父さんの純粋なお小遣いは3万円で足りなければその都度、追加請求しています。
生活費としては衣食、子どもの習い事、レジャー(帰省など含む)自動車関連、その他諸々を約20万円でやりくりしているわけです。単純に考えれば、毎月20万円を保険会社から保険金として受け取ることができれば、現在の生活と同じレベルが保てます。
かといって、単純に毎月20万円受け取れる保険に加入すればよいのかといえば、違います。この後皆さんに未来に目を向けていただく必要があります。