ヨーロッパではランジェリー、日本ではインナーウエアーと呼び方はいろいろですが 日本の女性達のからだを飾り、守ってきたインナーウエアーも時代や女性の意識とともにさまざまに変化しています。インナーウエアーといっても体型補正を目的とするブラジャー・ガードルなどのファンデーションから、アンダーウエアーとしてのスリップなどのランジェリー類さらにナイトウエアーなどのリラックスウエアー・ストッキング類までその範囲は幅広くあります。
かつて女性達は何枚も下着を重ねて身につけていました。ブラジャーの上にスリップ 冬は防寒肌着、下はショーツ・ガードル・ストッキングを重ねるというのが当り前でした。それが次第にスリップなどのランジェリー類を着なくなり 近頃はガードルを着用する人も少なくなり、下着はブラジャーとショーツだけという人が増えています。さらに、夏の素足が定着したことにより、ストッキングの需要も減りました。この傾向は欧米に近づきつつありますが 欧米と違ってノーブラ率が低く、パットの入ったブラジャーが好まれるのが 日本の特徴です。特に日本では どんなバストの人もバストアップ機能に富んだパッド入り4分の3カップブラジャーを好む傾向が根強いです。最近のブラジャーの傾向として、バストアップの機能だけでなく、よりつけ心地感や快適感を重視するようです。ワコールの『マシュマロブラ』やトリンプの『恋するブラ』は形だけではなく副資材なども快適感を追求したつくりになっています。

ランジェリーにおいても 変化がおきています。レース使いのスリップを着なくなったことです。その理由として 女性の社会進出が進んでより活動的なライフスタイルになり、衣服と下着に合理性が求められてきたことです。スカートからパンツへ、ブラウスからニットのカットソーへ、さらにからだにフィットするストッレチ素材の増加といった衣服の変化に 従来のスリップが合わなくなったのです。
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最近は アウターの素材がより軽く薄くなっているので インナーも一枚ですっきりヒップアップしてくれるものや、透けて見えてもおかしくないものが求めらいます。もう一つの理由として、インナー素材の変化です。スパンデックスの進化によりソフトで肌触りのが良くしかも機能性のあるストレッチ素材が開発されました。その結果ファンデーションとランジェリーの境があいまいになり またインナーウエアーとアウターウエアーとの境もあいまいになりました。つまりからだにフィットし適度に整えながら同時にランジェリーやアウターのおしゃれも楽しめるようになったのです。ガードルの需要が落ちた理由もこの点にあり ガードル機能を持ったソフトなサポート力とフィット性に富んだショーツが増えたのです。従来のスリップなどのランジェリーに変わって アウターと同じように着られるカットソーのキャミソールやタンクトップまた冬の防寒の為の肌着の需要が伸びています。
このように女性の社会進出やライフスタイルの変化 またインナー素材の開発によって よりファッショナブルで快適なインナーウエアーに進化してきたのです。