年金記録被害者への迅速な補償
加入記録問題の被害者の救済はこれからどう進む? |
(民主党HPより)
上記のスケジュールの通り、年金の加入記録問題は平成22年度から平成23年度にかけて集中的に取り組む課題として取り上げています。そのための政策として、以下のような政策が掲げられています。
- 年金加入記録訂正の簡素化
年金加入記録が間違っている可能性の高い場合は、証拠収集等を簡略化し、一定基準に基づいた記録の訂正による「一括補償」を実施する - 年金記録回復促進法案(仮称)の制定
保険料を納付した証拠がない人の加入記録を回復するために、「年金記録回復促進法案(仮称)」を制定し、判断基準の見直しを行う - 年金支給額の訂正の効率化
加入記録に誤りが見つかり、加入記録の訂正による年金支給額を訂正するまでに期間を短縮し、速やかに正しい年金支給額が支払われるよう事務処理体制を見直す - 入記録の訂正・統合の効率化
コンピューター上の年金加入記録と台帳など紙ベースの年金加入記録の全件照合作業を速やかに開始し、コンピューター上の加入記録の訂正・統合を行う - 厚生年金の加入記録問題の実態調査と補償
厚生年金の加入記録改ざんの実態解明と調査を実施し、被害者の確定・補償を速やかに行う - 年金通帳の交付
年金制度の加入者全員に「年金通帳」を交付し、自分の年金加入記録(標準報酬を含む)をいつでも確認できるようにする
年金の加入記録の巡る問題は2007年5月ごろから盛んに取り上げられるようになり、約5,000万件の加入記録が宙に浮いている状態でした。ねんきん特別便やねんきん定期便の送付など解明作業が進められた結果、平成21年3月現在で約50%の記録が判明し、約25%が解明のめどがついて作業を進めている状態です(社会保険庁HPより)。今後は、どうしても解決のめどが立たない記録の情報を開示して広く情報提供を求める予定でしたが、民主党の案では一括補償と法律の制定によりいっきに解決を図るとするものです。ただ一方で、相当な額の税金が投入されることになりそうです。今後の動向に注目しましょう。
最後は公的年金の一元化です(次ページへ)