英検Jr、TECS……子どもが受けられる英語力テスト
子どもの英語力を測るテストで一番有名なのは、「日本英語検定協会が主催する英検Jr.」です。本来、子どもの英語教育は試験に受かるための学習ではありませんから、このような英語テストを受ける目的は、今の実力を測ったり、チャレンジする気持ちを養ったりするためです。また、その先の英語学習への動機付けとなります。英語力は子どもでも大人でも数字で評価されるとわかりやすいですね。英検Jr.の他にどのようなテストがあるのか、ここに並べてみましょう。
子どもの英語力を測るテストって?
では、それぞれのテストを見ていきましょう。
英検Jr.
英検Jr.には合否はありません。受検する試験のレベルは、ゴールド、シルバー、ブロンズの3つのグレードがあり、それぞれ正答率で表されます。英検Jr.は1994年に「児童英検」という名前でスタートして以来、多くの子どもたちが受検しています。リスニングを主としていますので気軽に受検しやすいでしょう。受検方法は、ペーパー版とオンライン版の2種類があります。英語を習っている塾や英語教室が会場となって受けることが多いですね。初めて受けるなら英検Jr.をおすすめします。>>>英検Jr.ホームページへ
英検
学習が少し進んだ子なら英検も受検可能です。まず5級から始めてみましょう。合格しようとチャレンジする気持ちが高まります。合否が出るので不合格だとガッカリしますが、それだけに何度も挑戦して合格通知を得たときの喜びは大きいものです。>>>英検ホームページへ
JAPEC児童英検
このテストには合否があります。リスニング、スピーキングのテストでコミュニケーション英語力を測ります。合否があるテストですが、レベルも1~6級に細かく分かれているのでステップを踏んで合格しやすいテストだと思います。>>>JAPEC児童英検
GTEC Junior
小学5年生~中学1年生までを対象にするテスト。受検する学年はこの前後を含めて小学3年生から中学2年生まで。GTEC Juniorはその後に続く「GTEC」受検に進む最初のステップです。公立小学校で習っている英語の内容がベースですから、塾に通っていない子でも無理なく挑戦できると思います。合否ではなく、スコアとグレードで評価されます。>>>GTEC Junior
国連英検ジュニアテスト
国連英検ジュニアは日本発のテストです。あまり知られていませんが、レベルによっては自宅で受検も可能。幼い子どもでも家庭で受けることができます。日常生活に英語があることに気付く機会となるでしょう。英語を習っている小学生なら無理なく受けられるレベルです。合否はなく細かい評価表がもらえます。>>>国連英検ジュニア
ヤマハ英語グレードテスト
主にヤマハ英語教室で学んでいる子どもたちが必ず受検するテストですが、一般の子どもたちも受検することができます。テストB、テストAを受けて、その結果で取得する級が決まります。合否はありません。筆記テストとインタビューで4技能をバランスよく測ります。>>>ヤマハ英語グレードテスト
TECS英語コミュニケーション技能検定試験
イッティジャパン株式会社が運営する英会話教室ペッピーキッズクラブの子どもを対象に行われているオリジナルテストですが、一般の子どもたちも受検できます。テストは面白く作ってあり、気軽に受検できるレベルだと思います。リスニングとリーディングのテスト。合否はなく、正答率で評価されます。>>>TECS英語コミュニケーション技能検定試験
TOEFL、TOEICの子ども用テストに「TOEFL Primary」と「TOEIC Bridge」がある
海外発のテストを日本で展開するにあたり、それぞれ株式会社などの受け入れ団体があります。
TOEFL Primary
8歳から受検できるテストです。このテストが作られるときの会議に世界中から早期英語教育の専門家が集められ日本人も2名参加しています。私の知人がこの会議に参加していたのですが、子どもたちの英語力を正確に測れるようずいぶん議論されたようです。日本の英語教育を受けてきた子どもたちがどこまでチャレンジできるのか疑問ですが、世界基準の英語力を測るテストとして受検してみるのもよいでしょう。テスト内容は、Reading, Listening, Speakingです。次の段階は「TOEFL Junior」です。合否はなく、スコアで評価されます。
>>>TOEFL Primary
TOEIC Bridge
TOEFL受検が日本人にとって内容も受検料もハードルが高すぎるため、日本側からETSに依頼してTOEICテスト(1977年)が作られました。日本人向きのテストです。TOEICというとリスニング、リーディングのテストですが、今では5種類あります。このテストはビジネスシーンや日常の会話で使える英語力を測るものです。日本人と韓国人が一番多く受検しているテストで、スコアは大学受験、就職活動にも多大な影響のあるものです。5種類のうちの一つがTOEIC Bridgeで、名前のとおりTOEIC受検へ進むステップとして、学習初級者、中級車向けのテストです。合否はなく、スコアで評価されます。ある程度、英語学習の進んだ子ども向きです。
>>>TOEIC Bridge
YLE ケンブリッジヤングラーナーズ英語検定
ケンブリッジ大学英語検定機構作成の英語の4技能をバランスよく測るテスト。世界60カ国以上の国々の子どもたちが受検しています。国際的なテストで、世界で自分の英語力はどのくらいあるのかを測るのに適したテストだと思います。テストは3段階(Starters, Movers, Flyers)あります。思考をともなう答えが特徴的です。イギリス発。内容が2018年にリニューアルされています。YLEの次のレベルは5段階ありますが、さらに次のIELTS受検につなぎます。>>>ケンブリッジヤングラーナーズ英語検定
JET ジュニアイングリッシュテスト
日本では学習塾を中心に受検が進められていて、日本導入は比較的新しい子ども向けのテストです。レベルは5段階あり、スコアで評価され、合否もあります。こちらのテストも知識だけでは解答できないもので、思考をともなうコミュニケーション能力をもってはじめて解答できます。アメリカ発の小学生~中学生を対象にする英語力テストです。>>>JET ジュニアイングリッシュテスト
このように、子ども向けのいろいろなテストがありますが、日本発のテストはリスニング、スピーキングが主。聞いて理解するというレベルのものが大半です。また、TOEIC Bridge受検につなげるヤマハ英語グレードやJETもあります。一方、世界レベルに目を向けると、リーディング、ライティングの高度なレベルの内容もあり、現在の日本の子どもの英語教育のレベルでは受検はなかなか大変だろうと思います。子どもの英語は、テストのための勉強にならないよう、テストはあくまでも目安と動機付けであることを忘れてはいけないでしょう。