3人に1人が高齢出産の時代に
3人に1人は高齢出産という現実。時代とともに子育ては変わっていく
出産した女性の26%が35歳以上でした。3人に1人は高齢出産をしているのです。高齢での初産は全体の14.3%、7人に1人は高齢出産で初産しています(厚生労働省「平成26年(2014年)人口動態統計」)。
高齢出産となると、どうしてもリスク面が強調されて伝えられがち。本人が不安に感じているケースもありますが、周りから「高齢なのに産めるの?」「体力がもたなくて大変なんじゃない?」などの心ない声に傷つくことも多いようです。本人は妊娠したことに喜んでいるところに周りの声から傷つくことも少なくありません。
妊娠したということは、出産できる身体であるということ。高齢出産年齢だから、と自分をハイリスク扱いにしてストレスホルモンを増やすのはもったいないと感じます。
高齢での出産は身体に毒なの?
高齢出産であると難産と言い方をする人もいます。妊娠を喜ぶ女性に対して否定的な言葉はマナー違反。悲しくなります。確かに20歳代女性より加齢している訳ですし、徹夜がつらくなるなどの体力の低下を感じることはあるでしょう。しかし、昭和26年では高齢出産が14.7%あったそう。40歳代で7人目8人目の出産もザラだったのです。
初産での出産は今よりも少ないと思われますが、今よりも経済が安定していない世の中で上のお子さんのお世話をして、働きながら多くの女性が出産していたことがわかります。現代女性の高齢出産よりもハードな環境、かつ産科医療も今より水準が低かったでしょう。
それでも高齢出産をされる女性が多かったわけですから、ずっと便利な時代になった私たちがネガティブになるのもナンセンス。妊娠・出産を乗り越えるのは年齢よりも重要なポイントがあるはずですです。
R35の輝き
今の35歳以上で妊娠する女性にお会いすると、元気に輝いている方が多くて本当にびっくりします。その輝きはパートナーとの関係性が満たされていたり、ビジネスでの充実さ、身体を鍛えるなどのセルフケアによるものでしょう。20歳代でもタバコを吸い、食事もインスタントラーメンやコンビニのお弁当、サプリメントばかりだと身体も不健康になっていそうですね。それに比べて35歳以上で赤ちゃんを授かる人は自分の身体のケアにも気を配っていたり、子育てにも真剣に向き合っていたりと本当に魅力的な人とたくさん出会います。
高齢出産だと、親が若くなくて問題がありそうという偏見は昔のこと。とても豊かな子育てをされている方が多いように見受けます。それはビジネスなどで後輩を育てることも経験され、子育て=「未来人育て」のスキルを獲得されていることも一理あるでしょう。何歳から子育てをはじめても、それはそのカップルにとって一番良いタイミングでのスタート! 自分らしい育児スタイルを楽しみ、学んでこそ自分も育つ「育自」です。
出産とワークバランス
高齢出産の割合が増えると、女性の社会進出が背景にあると報じられます。1986年に男女雇用機会均等法が施行されてから、少しずつ女性が企業で働くことが増えてきました。制度はあっても、妊娠・出産など男性モデルでは想像がつかず男性と同様に働く、というのも難しかったのです。それが男性モデルからは想像つかなかった範囲も少しずつ整えられ、今日を迎えています。キャリアを築くにつれ、責任のあるポジションにつく女性も増えてきました。ゆえに「今、出産したら他に責任を持てる人がいなくなる」と出産を先送りに考える人もいるようです。
この場合、単に女性が責任のあるポジションにつくことが直接原因ではありません。一度お休みに入ると復帰が難しい制度、休暇中の代行を頼みづらい風土、または本人が誰かに仕事をお願いすることに勇気を持てないなどの様々な要因が考えられます。
制度はもちろん女性が働きやすくなるよう助けてくれていますが、ライフスタイルがみんな違うように良いサポートも実は様々です。アウトラインは国の政策や会社の制度で整えてもらいたいものですが、細やかな調整は受ける女性から声を上げて整えていくのがベターかも。現代のワーキングマザーは自分の子どもも育てながら、未来の女性たちがワーキングマザーを選択した時に働きやすいように土台を作っているといえますね。