出産準備/出産準備関連情報

命の話を子供にどう伝える? 誕生学とは?(3ページ目)

「命はどこから来るの?」と子どもから聞かれたら、どう答えますか? 命の話をどう伝えていくか、「誕生学」についてお話します。

大葉 ナナコ

執筆者:大葉 ナナコ

妊娠・出産ガイド

性と生命に対するセンスを磨く教育を

性と生命に対するセンスを磨く教育を
子どものうちから親子で性と命について話し合っていきたいですね
私は学校や自治体からのご依頼で、全国の小学校・中学校・高校、そして大学でもこうした誕生学プログラムの講義を行っています。長野県の駒ヶ根では「小中高」の生徒さんに向けて毎年講義をさせていただいていますし、津田塾大学でも毎夏に4学年分の女子大生に向けて健康教育のゲストティーチャーとしてお話しています。こうした「性と生命に対するセンスを高める教育」は、学校はもちろん、地域ぐるみでも取り組んでいかなくてはならないと思いますし、その前の段階として、家庭の中での意識も高めて欲しいと思います。

「大人になるのはまだ先だから」と思っていても、5歳までには8割の子が「いのちはどこからやってくるの?」という問いかけをするそうです。「中学校になったら教える」とか「そんなのは自然に覚える」というのは、時代錯誤です。子どもにどう伝えるかとまどっているうちに、現代の性を商品化した情報の洪水の中でおぼれそうな親子がたくさん居ます。

インターネットなどを通して露骨な性情報が氾濫する時代だからこそ、命の本質を親が伝えることで、そうした被害からも子どもを守って欲しい。私も東京都の青少年問題協議会の委員会に任命され、これから2年間「有害メディアから子どもをどう守るか」というテーマで審議を重ねて、具体的な政策提案をしていきます。

これから妊娠・出産・育児に携る方々にも、ぜひ関心を持っていただきたいと思います。

参考になる情報は、「性の健康医学財団」「日本家族計画協会」といった団体のサイトにもありますし、私が主宰する誕生学協会でも、2月28日に誕生学セミナーを開催し、ライブでお伝えすることになっております。ぜひ足をお運びください。

命の教育を学校や行政任せにせず、まずは家庭からという意識で、自分の言葉で子どもに伝えていって欲しい。それが伝われば、子どもたちは「からだは大切なんだ」ということを実感し、産み生まれる力を再認識することで、自尊感情を育んでいきます。それが、いじめ、自殺などをおこさない正しい心の発達を助けにもなると信じています。
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※妊娠中の症状には個人差があります。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。体の不調を感じた場合は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。

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