院内助産システムを取り入れている病院の例
助産師たちの取り組み |
院内助産の事例を収集し、宿泊研修、会議や検討会を重ね、システムを確立していきました。常勤医師が1名というこの病院の院内助産システムは、妊婦健診によってハイリスクと判断された場合は、提携医療機関を紹介し、分娩時の緊急医療体制としては、常勤の医師が対応、もしくは提携医療機関に速やかに搬送するというものです。そうした場合を除いた正常産のケアは、LDR室(陣痛開始から産後までを過ごす部屋)を和室にして、フリースタイル分娩ができるような環境を整え、助産師による手厚いケアを実施できているとのことです。
また、同レポートによると、大阪市の別の病院では、「産科医不足が直接の原因ではないけれど、助産師が本来の役割責任を果たすというプロとしての観点から始めた」というところもあります。「その人のバースプランにできるだけ沿ってお産の介助をしたい」という助産師の強い希望があり、開始されたのです。このシステムを院内で確立するには、医師と助産師がそれぞれの職域を認め合い、信頼関係を気付きながら、病院全体で取り組んでいく姿勢が大切だったとのことです。助産師が積極的にお産の介助に携るようになって、助産師のモチベーションも上がり、離職者も減少したとのことです。