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「なぐり描き」から始まる絵や文字の世界(3ページ目)

1歳前後の子どもが興味を持ち始めるのが、「描くこと」。このお絵かき行動は、子どもの世界を広げるとても大切なことです。描くということが、子どもの世界を広げ、心の自由度を上げてくれます。

大葉 ナナコ

執筆者:大葉 ナナコ

妊娠・出産ガイド


お絵描きで「アートセラピー」

「絵から子どもの心を感じる」
お子さんはどんなお家を描くでしょうか?
字に関心を示す頃は、お絵描きも自分なりにいろんな絵を描いて楽しむ頃。我が家もみんな小さい頃からお絵描きが大好きでした。現在6歳になる5番目の子どもも「アート教室」に通うようになってから、とっても楽しそうです。

実は以前、この子が「少し調子が悪そうかな?」と感じたときに、私と一緒に「アートセラピー」をしました。「お家を描いてみて」というと、東京っ子のせいか、最初は四角いマンションを描き始めてしまって…。子どもの絵を見ながら「お母さんはお庭やお水や緑があったらいいな~」と声をかけたら、次は三角お屋根の暖かい雰囲気のお家を描き始めました。

このアートセラピーで「もっと自然界に連れ出さねば」と感じた私は、仕事も少しお休みして子どもと一緒に出かけたり、お絵かきをしたり、ということを心がけたら、子どもの様子も変わってきました。のびのびとしてきて、甘え上手になったというか、「いやなものはいや」とはっきり言ってくれて、お互い何をどう思っているかという気持ちの行き来がスムーズになってきたのです。風通しが良いという感じでしょうか。子どもって描くことによって、エネルギーを発散するんですよね。

アートセラピーは、プロがレッスンしてくれる本格的なものもありますが、こうやって親が一緒に絵を描くだけでも、いろんなことを発見できます。「お家を描いてみて」と言ったとき、住んでいる家の具体的な形を子どもが描けるかということより、暖かい雰囲気のお家を描いてくれたらうれしいですよね。お家があって、太陽があって、木があって。お家は家庭的な暮らし、太陽がお母さん、木がお父さんの象徴という考えもあります。

もしも、グレーばかり、コンクリートばかり、という絵だったら、「もっと自然の中に連れ出したほうがいいかな」とか「ここのところ忙しくて、家族的な暖かい雰囲気がなくなっていたかな」と気が付いて、改めるきっかけになります。親が子どもと楽しみながら、子どもの気持ちを確認できる「お絵描きセラピー」。ぜひ1度やってみてください。

6歳のわが子は、その後アート教室に通うようなり、とても活発に表現をするようになってくれました。教室で創った作品をうれしそうに飾って、それをみんなでほめてあげています。自尊感情も高まり、今までもしかしたら無理をして抑制していた感情も、上手に表現するようになりました。アートやお絵描きは、言語化できないものを表現する行為。表現に対して意欲的な子ほど、行き場のないエネルギーをたくさん抱えているものです。描くということが、子どもの世界を広げ、心の自由度を上げてくれる。そんな視点で子どもの「書く、描く」という環境を作ってあげてください。



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