出産準備/出産準備関連情報

妊娠期間は、生き方をリセットする時間

2006年の合計特殊出生率が、1.32と6年ぶりの上昇。仕事か子どもかを選ぶのではなく、仕事も育て、子どもも育てる。どちらもできる時代になってきたと思います。

大葉 ナナコ

執筆者:大葉 ナナコ

妊娠・出産ガイド

合計特殊出生率1.32、6年ぶりの上昇

夕食の時間は大切な家族タイム
厚生労働省の発表によると、2006年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産むと推定される子どもの数)が、1.32と6年ぶりの上昇となりました。出生率が回復したと言うにはまだまだ微弱な数字ですが、国や企業が進めてきた少子化対策が功を奏したのであれば、これからに期待したいところです。

それでもまだまだ少子化を憂う一方で、20歳代の女性たちには「早婚願望」が芽生えてきているという記事を目にしました。AERA6月4日号の「20代の新・大人の女願望」によると、「これまで結婚や出産は女性の自己実現を阻むものだと考えられてきたけれど、結婚と育児が高い人間的能力を涵養する機会であることを感じ取って、幸福な大人になるために結婚出産をしようとする」という20歳代の女性が増えてきているとのことです。

1986年に施行された男女雇用機会均等法から21年。独身でバリバリ働く女性が憧れだった時代から、20歳代の女性は早婚願望、40歳を前にした女性は駆け込み出産と、時代の志向は変化を見せているのかもしれません。

仕事と子ども、両方育てる

2005年国民生活白書によると、31~49歳の独身女性が結婚のデメリットとして挙げた事の第1位は「自分の自由になる時間が少なくなる」。果たしてそうでしょうか。それは、この世代の親たち世代が図らずとも植えつけてしまった考えではないでしょうか。親世代の女性たちは、高度成長期の猛烈社員を支える家庭の妻として、家を支える嫁として、家事育児介護を請け負っていました。古い家長制度の中では、自分自身の仕事や趣味に費やす時間はなかったかもしれません。自分の娘にはそんな不自由をさせたくなくて、「女性も仕事をもって自由を獲得すべき」というメッセージを発したのかもしれません。

しかし、時代の価値観は変わりました。それこそ男女雇用機会均等法時代の女性たちのがんばりが後押しして、女性が社会で働くことが浸透し、結婚・出産も「男女共同参画」。夫も一緒になって家事育児をがんばっていこうという風潮になっています。

社会での仕事も激しい労働を伴う製造業から、繊細な感性を必要とするサービス業が増えてきています。家庭が父親不在だった高度成長期時代の反省もあります。子どもの育ちに知識のない大人の男性が多くても仕方がないのです。仕事における男性性と女性性、育児における男性性と女性性がバランスよく求められている今の時代。女性だけが仕事における充実感や自己実現の機会を奪われる、といったことはなくなってきているのです。

「男女がともに働き、ともに育てる」そんな新しいライフスタイルのセオリーを、私たちはこれから作っていこうとしているのです。仕事か? 子どもか? を選ぶのではなく、仕事しながら子育てもしていけるのです。そう、仕事も育て、子どもも育てる。どちらもできる時代になってきたのだと思います。

>>「それでも仕事と子育ての両立は難しい」と悩むあなたに>>
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