本当に10組に1組が不妊症?

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「10組に1組が不妊症」って本当?
最近は「10組に1組が不妊症」という定義が多く使われています。これから赤ちゃんをと願うカップルは、この数字をどのようにとらえるでしょうか。年間で出産する人が100万人以上いるこの国で、不妊症が10組に1組なら、治療中または治療を考えている潜在カップル数は、何百万組にものぼるということでしょう。今回は、不妊のとらえ方と共働きカップルが必要とする不妊の社会的なサポートについて、考えてみたいと思います。

“思うように授からないこと”が不妊症?

日本では、結婚して健常に性行為があって2年間妊娠しない場合を「不妊症」と定義しています。最近の統計では、10組に1組が不妊症とされるほど、頻度が高い症状。しかし実際の妊娠は2年間、カップルの心身がどのような状態だったかに大きく左右されます。女性が冷え性のままだったり、男性がストレスフルだったりすれば、いくら排卵日の性交を2年続けても妊娠しにくいでしょう。この心身の状態へのまなざし抜きに、望む時期に妊娠しないからといって“時間的条件”だけで不妊症と決めるのは性急です。

たしかに不妊治療の正式名称である「生殖医療技術」は年々確実に進歩し、トライする人も増えています。明らかに治療が必要とされるカップルには福音です。ホルモン分泌量の測定など、少し前まで原因不明とされていたものも原因が解明されたり、体外受精の技術が根づき、治療が受けられる病院、施設も全国に広がったことは、相談機関が増えた点では、見通しを明るくしてくれるでしょう。

実際には、「妊娠するために必要な卵胞刺激ホルモンが出ていない」と診断された女性が翌月妊娠したり、早く子どもが欲しいばかりに結婚直後から不妊治療に通ったカップルが、治療に疲れて中断したとたん妊娠したり、という例はゴマンとあります。ですので、「望む時期に妊娠しない=不妊症だ!」という考え方には、ブレーキをかけて。

“不妊症”というと病気みたいですが、原因不明であることも多々あるので、授かるまでに、「少し、心とからだへのケアが必要な状態なのだ」「不妊気味の症状だわ」というとらえ方でリラックスできればいいですね。

妊娠できる・できないという診断はない

不妊症状の器質的理由、機能的理由の40%が女性側、40%が男性側、そして20%が双方によるもので、原因は男女半々。子どもが欲しいと考えている共働きのカップルも、妊娠対策の決断をいつまでも先送りできないのが現実でしょう。女性の場合、受精率が33歳を境にダウンしはじめるといわれ、加齢とともに流産率も上昇するので、時期の目安は知った上で妊娠準備をしていきましょう。

インターネット上には不妊治療で授った女性は43歳が最年長とある不妊治療医院のサイトもありますが、治療をやめた後に妊娠する人も少なくありません。厚生労働省の人口動態統計では、2005年度は40才~44才で出産した女性はなんと19,753人。45~49才は563人、なんと50才以上は34人もいます!35歳からは高齢出産と定義されているものの、40代でも自然妊娠しているカップルは、たくさんいるということでしょう。妊娠するかしないかを診断する医療はないそうですから、あきらめないで自分たちにあった考え方を生み出しましょう。診断もまだ、治療もまだでも、自分たちで自分たちをあせらせないで。自助(セルフヘルプ)をたのしんで、カップルの絆を深めて下さい。