妊娠したら、まずチェックすること
大葉:
では、実際に妊娠中に話し合うことってどんなことでしょう?
山口:
まずは、「今ある家庭の金融資産の見直し」です。家にいくらお金があるのか一度、棚卸しをしてみましょう。今、貯金はいくらあるのか、投資信託はいくらになっているのか、随分前に買った株は今どうなっているのか、ローンはいくら残っているのか、外貨預金は今いくらに増えているだろうか、または減っているだろうかなどなど。金融資産がどちらかに大きく偏っていないかというところを見直してバランスよくする必要があります。
次に「保険の見直し」です。夫・妻・実家で掛けている保険をチェックします。保険には大きく分けて入院するとお金が出る医療保険と、亡くなった時にお金が出る生命保険の2種類があります。妻、夫がそれぞれ何の保険に加入しているか確認し、入院したとき、亡くなったときにいくら出るのかは最低チェックしておいてください。実家というのは、これも特に若い方は、両親が保険をかけていることが多いのですが、そういえばかけてるって言ってたかもなどと何となく知っているのではなく保険の内容を把握しておきましょう。それから意外と多いのが証券を紛失していたり、どこにあるかわからないこと。探しておいていざというときのために持っておくとよいです。
また、保険の受取人についてですが、実家の両親などが、子ども(自分たち)にかけている保険の受取人は実家の父親になっていることが多いです。万が一子ども(自分たち)が先に亡くなってしまった場合、受取人が父親というケースもいいのですが、結婚して家庭を作ったのだからここからは自分たちで払っていくことにして受取人を妻にするのかなど、受取人をどうするかもちゃんと話し合っておくよい機会ではないでしょうか。
健康なときこそ入っておきたい医療保険
大葉:
妊娠中に保険は入れないと思ってましたが?
山口:
妊娠中に保険に入れないと思っている方は多いですね。確かに実際は入れるものと入れないものがあります。26週までの妊婦健診で何らかの異常があった場合、保険会社がお断りすることもあるのですが、健康な場合26週までは入れるものがあります。妊娠中は予期せぬ入院、帝王切開の可能性もないわけではありません。なってしまってからでは、保険に入れなかったり、保険料が高くなって条件がついてしまうことになります。
健康で元気な時に入っていればその後何度入院することがあっても保障されますが、例えば、一度帝王切開をしてから保険に入った場合、次回また帝王切開になっても帝王切開は不担保といって、保険金を払う対象からはずれてしまいます。私自身の経験からも助産院で自然分娩をするつもりでいたのに、いざ出産というときに、入院、帝王切開という予期せぬ事態になりました。それは大変だったけど、保険に入っていたので本当によかったと思いました。
また、流産・死産という残念な結果になってしまった場合でも妊娠4ヶ月(85日)以上が経過していれば、出産育児一時金が一児につき42万円(産科医療補償制度の対象分娩でない場合は定額39万円)が支払われます。これは意外と知らない方が多いかもしれませんね。
大葉:
確かにいつでも入れると思っているから健康だとつい後回しにしがちですよね。妊娠したらすぐ医療保険を見直すのが大切なんですね。ありがとうございました。
妊娠・出産には、バースプランがあるようにマネープランも非常に重要だということがわかりました。それはお産と一緒で漠然と不安をもつのではなく、何の知識がないのか理解することがとっても大事。妊娠という人生の節目を家族としてにステップアップする機会にしてください。第2回は「産後のマネープラン」についてお話を伺います。
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