出産の基礎知識/会陰切開

会陰切開ってどういうもの?(2ページ目)

出産のとき、赤ちゃんが出てくる部分を切開することを会陰切開といいます。初産の人の7~8割におこなわれていることなので、知っておきましょう。

河合 蘭

執筆者:河合 蘭

妊娠・出産ガイド

自然に切れる傷ってどういうもの?

会陰切開がなくても、3~7割くらいの人は自然裂傷が起きます。ただ傷は切開の傷に較べて浅いことがほとんどです。上皮に留まり縫合が要らない傷、あるいは無傷で産み終わるチャンスも小さくありません。

会陰切開をしないお産のほとんどは、呼吸法やリラクセーションなどで自然裂傷を防ぐくふうをしながら産みます。

しかし、切開なしでも産める最も大きな理由のひとつは、助産師さんが赤ちゃんの頭の降り具合を手でコントロールして、会陰が十分にやわらかくなり、赤ちゃんが通っても切れないようになるまでお誕生を待つからです。

「自然に生まれるのを待つ」という覚悟は必要

助産師さんの技術はありがたいものです。ただ、こういうお産をするには、「待つんだ」という覚悟が、産む方にも必要です。

お産の最後の状況では陣痛が強いですから「少しでも早く赤ちゃんが出て欲しい!」と思うものです。でも、もし、なかなか会陰が伸びなかったら、待ち時間が長くなります。

傷のない産後は身体が楽です

会陰切開のないありがたさが身にしみるのは、産後です。

お産のあとは、会陰切開の傷や痔など、赤ちゃんが出てきたあたり一帯の痛みに悩むのが普通です。多くの人は、椅子にぺたんと座れなくて、数日間は「円座(洋式トイレの便座のようなもの)」が手放せなくなります。

会陰切開の傷がなくなるだけで、これはだいぶ楽になります。スタスタ歩けて、どこにでもサッとすわれれば、母子同室でも赤ちゃんの世話が楽です。

会陰切開の良さと欠点を知りましょう

会陰切開は、ときには赤ちゃんの命を助ける医療行為。ですから女性がひとり決めできることではありません。

また、会陰がなかなか伸びないときは自分もつらく、どこまで切らないで頑張れるかは本番にならなければわからない部分もあります。

でも、自分の身体が受ける医療処置です。あらかじめ、そのメリットとデメリットを知っておきましょう。

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