悲惨な話だけが真実ではない
舞鶴共済病院では医師も助産師も夜勤の業務量は増え、負担は増えていました。でも、病院が一丸となって母乳やカンガルーケアに取り組むことで、ここ共済病院はエネルギーを得ているように見えました。
産科医不足の報道がテレビでも新聞でも盛んに続いて「産科はこんなに悲惨だ、あんなに悲惨だ」と言われ続けています。でも現場に行ってみれば、悲惨なことだけが真実のすべてではありません。医療センターでは助産師が出産後も働き続けられるようになって、より責任の重い仕事も引き受けようとしていたし、共済病院もかかげてきたテーマに情熱を持ち続けていました。
大変な中でもお産の楽しさ、仕事のやりがいを見つけていける人たちは現場に残ってくれるのではないでしょうか。そして、この人たちの意欲が産む人や社会に伝わったとき、産科崩壊と呼ばれる状況が変わり始めるのだと私は予感しました。
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