「子育て中の人は、本当は助産師に向いているのに」
二児の母で、職場をあとにして5年が経つという30歳の女性は、現場に戻るのが怖いと思いつつ、お産は大好きだと言います。
「出産前の自分のことを思うと、産んだ今の方がいい仕事ができそうなんです。陣痛の痛みでも教科書ではなく、実感で知ったものをもとに腰をさすってあげられると思うんです。でも私は実家も遠いし、夫も帰りが遅い仕事で子育てを助けてくれる家族がいません。助産師という仕事は母親に向いていると思うのに、母親になると、仕事を続けていくのが大変になってしまうのは、とても皮肉」
ラブコールの情熱は、まだ今ひとつ?
「家にいる助産師さん、復帰して下さい!」という社会からの声は潜在助産師さんたちの耳に届いていて、意欲を持っている人はちゃんといるのです。しかし現状では、不安も課題もたくさんあります。院内保育所の整っている病院はありますが、夜間勤務や病児保育への対応まではできていないようです。子どもが小さい人が夜勤をはずしてもらえるのか等も課題です。
また、助産師が最も不足しているのは開業医の先生の施設ですが、この中に、本当に助産師に来て欲しい人がどれだけいるのかよくわかりません。